「宇宙の謎」まるわかり 宇宙の果て・ブラックホール・宇宙人・宇宙旅行、四つの疑問をやさしく解説 PHP文庫

的川泰宣(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 2002/01/21
• JAN: 9784569576770

商品レビュー

2010/05/28

ただ空をながめるより…

[文庫ＯＦＦ]

ただ空をながめるよりは、これがどうなっているのかまで思いをめぐらせてみるのがたまにはあってもいいかなと思った。

2023/02/16

旧宇宙科学研究所の先生が語る"宇宙の謎"。現代の宇宙理論の基本的なところを押さえた後は、世界や日本の宇宙観測の発展の歴史を引きつつ、ブラックホールや宇宙人、宇宙旅行への展望をダジャレ？も交えてざっくばらんに語る。

宇宙科学をめぐる日本の厳しい状況を嘆きながらも、だからこそ宇宙で未来を明るくしよう！と奮起を促すのだが、残念ながらこの本が出てから20年、状況は良くなるどころかますます沈んで行っているように思える。

さて、宇宙人探査といった実利に結びつかないものへの日本人の冷ややかな態度を、国民性の"レベルの低さ"ではなく、自分達だけで完結した国であった縄文時代からの長い歴史、すなわち世界から見て長らく「あってもなくてもいい国」だったことに論拠を求めるのには、個人的にもしっくりときた。だからこそ日本人の文化を発信することから始めよう。外国お仕着せの宇宙人観ではなく、日本人による宇宙人観を生み出していこう。と語られるところは、分野は違えど世界的に活躍する、日本を愛する日本人に共通の認識のように思えた。