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パン屋のお金とカジノのお金はどう違う? ミヒャエル・エンデの夢見た経済・社会
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パン屋のお金とカジノのお金はどう違う? ミヒャエル・エンデの夢見た経済・社会

広田裕之(著者), 子安美知子

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パン屋のお金とカジノのお金はどう違う? ミヒャエル・エンデの夢見た経済・社会

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 オーエス出版
発売年月日 2001/07/15
JAN 9784757300873

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パン屋のお金とカジノのお金はどう違う?

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商品レビュー

4.1

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2022/01/11

映画「ネバーエンディングストーリー」でお馴染みの作家ミヒャエル・エンデが表現しようとしていたもう一つの要素である「貨幣と経済」に焦点を当てて書かれた本です。 「貨幣と経済」といっても、一般的な経済本が「市場」に焦点を当てて論じるものがほとんどであるのに対して、エンデの経済理論は「...

映画「ネバーエンディングストーリー」でお馴染みの作家ミヒャエル・エンデが表現しようとしていたもう一つの要素である「貨幣と経済」に焦点を当てて書かれた本です。 「貨幣と経済」といっても、一般的な経済本が「市場」に焦点を当てて論じるものがほとんどであるのに対して、エンデの経済理論は「貨幣」そのものが持つ機能や性格について論じています。 昔から「経済」といえば、資本主義VS共産主義という対立構造で語られがちですが、エンデの視点では両者は「資本主義の民営化 VS 資本主義の国営化」であり、両者共に同じ性質のものであると論じています。それは「市場」ではなく「貨幣」そのものに視点を向けたエンデならではの思想だと言えます。 また、エンデは「利子」の是非にも触れています。 通常の経済学では、利子があることで、借り手は利益を出そうとする原動力が生まれ、経済が成長する・・・というのが常識であり、定説となっています。 しかし実際、現在の貨幣システムでは、利子を付けて利益を出すことを前提としてその貨幣価値が保たれており、つまりは国民全員に、「金銭的利益」が義務づけられていると言っても過言ではありません。 つまり利子によって働く原動力が生まれているのではなく、利子によって利益追求を強制されている…と表現する方が妥当だと言えます。 いくら「お金の問題じゃないんだ!」と言ったところで貨幣システムという機械的な目線からは「いいえ、稼げないなら無価値です」と言うことになります。 これをエンデは「経済成長の強制」と呼び、問題視しているのです。 この本のタイトルの意味は、パンを買う代金としての「お金」と、カジノのお金(株などの証券市場でのお金)という、相反する役割を同時に持っている貨幣の性格そのものが、あらゆる社会問題の根源にあると指摘しています。 そして、この「貨幣」と「利子」という問題に多くの人が無関心である限り、今後も環境問題は悪化し、戦争や貧困も加速し、荒廃した未来が待っていると警鐘を鳴らしています。 著者はそういったエンデの思想を簡潔にわかりやすくまとめており、金融に疎い人でも理解しやすい内容にまとめてくれています。 また、エンデが影響を受けた経済学者シルビオ・ゲゼルと、シュタイナー学校の創設者ルドルフ・シュタイナーについても触れており、経済学だけでなく、エンデがシュタイナーを通して学んだ、文化や精神世界を大切にする概念についても解説されています。 経済学に精通しておきながらも、あくまでもファンタジー作家として社会に伝えようとするエンデの一貫した信念が垣間見える本でもあります。 エンデとお金。 その入門編として最良の一冊と言えると思います。

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2021/09/01

私に理解できたとは言い難い、が、考えるきっかけになった。 資本主義は成長し続けなければならない。 人間は、子どもから成人になるまでぐらいはぐんぐん成長するけど、そのあとは、目に見えた成長ではなくて、「成熟」の過程に入るらしい。ところが、がん細胞は、どこまでも成長し続けて、やが...

私に理解できたとは言い難い、が、考えるきっかけになった。 資本主義は成長し続けなければならない。 人間は、子どもから成人になるまでぐらいはぐんぐん成長するけど、そのあとは、目に見えた成長ではなくて、「成熟」の過程に入るらしい。ところが、がん細胞は、どこまでも成長し続けて、やがては宿主を食いつぶしてしまうんだとか。 経済も、無限の成長をさせようとすると、人間を食いつぶしてしまうのでは…。 “この経済と金融システムは、いつの間にか゚、真正がんが形成されるときの特徴をみんなそなえてしまった。つまり、それは生き続けるために、常に成長し増殖しなければならないのだ“

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2021/05/16

再度読み返してみた。終章に「日本はあと二十年もすると超高齢化社会を迎えることになりますが」とある。すでに20年が経ってしまった現在、変わったことと言えばITとスマートフォンが普及したこと、マイナス金利が当たり前になったこと、デジタル法定通貨やベーシックインカム、MMTが選択肢とし...

再度読み返してみた。終章に「日本はあと二十年もすると超高齢化社会を迎えることになりますが」とある。すでに20年が経ってしまった現在、変わったことと言えばITとスマートフォンが普及したこと、マイナス金利が当たり前になったこと、デジタル法定通貨やベーシックインカム、MMTが選択肢として議論されるようになったことか。コロナ禍で全体主義的な発想がはびこる中、我々はどのように連帯と自由を勝ち取っていくのか、ますます昏い世相に思われる。

Posted by ブクログ

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