三国演義(第1巻) 講談社文庫

安能務(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 2001/03/15
• JAN: 9784062730938

商品レビュー

2010/05/28

タイトルを見たときは…

[文庫ＯＦＦ]

タイトルを見たときは「演義の訳本か！？」と思いましたが、蓋を開けてみると全然違いました。確かに演義ベースなのですが、吉川三国志などとは180度違います。まず序文で、いきなり孔明を「ヘボ軍師」と言いきっているあたり、普通の演義小説ではありません。演義の中の明らかに不合理な箇所を、当時の文化や慣習に基づいた作者の見解をもとに、合理化していっているという感じでしょうか。だから登場人物の性格も、乱暴者の代名詞のような張飛が妙に理知的だったりと、演義とは違ったものになっています。面白い作品なのですが、三国志演義を読

2010/05/28

　著者の作品は、当時…

[文庫ＯＦＦ]

　著者の作品は、当時の政治、歴史、風習など、物語の背景が多く書かれていて、理解しやすく、感情移入できるので好き。ただ、著者独特の見解が多く含まれているので、要注意。他の著者の作品なんかとも比較してみると良いですね。だから☆４つ。私的には安能流の解釈の仕方は好きですが。　この著書では、計算高く、結構腹黒い劉備、小ばかにされて、軍師としては意外と底の浅い諸葛亮なんかが面白かったですね。今まで読んだ三国志（演技）では、どうも腑に落ちなかったことの辻褄が合ったすっきり感があります。たとえば、”仁・義”のた

2019/07/25

羅貫中原作の大河歴史講談をベースに作者が解釈した作品。仁義の人というより中小企業の社長の如く生き抜いていく劉備、豪傑である自分の価値を認めさせる方法を考える関羽、呂布より強く頭の切れる張飛、天才的な槍の使い手にして爽やかな青年趙雲、怪しい術は使え政治家としては超一流だが軍事はヘッポコで軍令書をかざす孔明など面白い解釈。カカと大笑いして乱世を突破していく曹操が良い味出してる。
三国演義なので晋の統一まであるので姜維、鄧艾らの名将たちの動きも分かる。