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映画とは何か

加藤幹郎(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2001/03/22
JAN 9784622042648

映画とは何か

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商品レビュー

4.5

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2013/03/11

映画について書かれた本には、大きく分けて二種類ある。一つは、映画が好きで、映画について語りたいという思いにあふれたものである。今ひとつは、映画をテクストとして読み、分析し、批評しようというものである。もちろん、その二つを兼ねたものもあろうが、力点の置かれ方は、対象に対する眼差しの...

映画について書かれた本には、大きく分けて二種類ある。一つは、映画が好きで、映画について語りたいという思いにあふれたものである。今ひとつは、映画をテクストとして読み、分析し、批評しようというものである。もちろん、その二つを兼ねたものもあろうが、力点の置かれ方は、対象に対する眼差しの温度差で分かる。前者は熱く、後者は冷たい。この本は後者に属する。 全体は二部構成で、前半は映画の文法についての講義。ヒッチコックやフリッツ・ラングの作品をもとに、記号学を駆使して対象を分析していく手際があざやかである。後半は、「列車映画」の歴史やD・W・グリフィス、黒人劇場専用映画についての詳細な研究報告という態をなしている。 「『サイコ』では不吉なことは二度くり返される。」それが、奇妙な既視感となって観客にやがて襲ってくる恐怖を予兆させている、と著者はいう。たとえば、大金を持ち逃げすることになるヒロインの勤めるオフィスの壁に不動産屋には似つかわしくない荒野の写真がかかっているが、十数時間後、ヒロインは、写真によく似た荒野を車で走っている。また、あまりにも有名なシャワーシーンと、その後に続くナイフを何度も振り下ろすシーンが、モーテル到着前に、しのつく雨の中で車のワイパーが弧を描く運動とダブルイメージになっている点などが著者が示す例である。ヒッチコック自身が自作を語った『映画術』にもこの部分に関しての言及はない。「批評家は主題やストーリーにしか興味を待たない(前掲書)」ことを嘆いていた監督が知ったら喜んだろう、精緻な分析である。 記号学を援用したフリッツ・ラングの亡命時代の作品の分析も興味深いものがあるが、後半のD・W・グリフィスを素材にした「アメリカ映画のトポグラフィ」は、映画黎明期のアメリカにおいて、グリフィスの果たした役割を知る上で貴重な研究である。それはまた、映画というものが、演劇的なものから解放され、いかに映画自身になっていったかを知るための里程表にもなっている。 あとがきによれば、本書は、講演用の原稿を改稿して「ハリウッド映画とは何か」という総題の下に『みすず』に長期連載したものであるという。亡命ユダヤ人作家フリッツ・ラング、黒人劇場専用映画、また、グリフィスの初期インディアン映画など、並べてみても分かるように従来のハリウッド映画論とは異質な視点から考察されているのが分かる。それまでの映画論が看過してきた「透明な命題がいかに可視化可能な命題であるかを検証しようとする」著者の目論見は、かなりの部分で成功していると思われる。眼差しはクールだが、語り口は熱いのである。

Posted by ブクログ

2009/01/12

【目次】  序言 マイナー映画のために 第1部 映画を見る  第?章 サイコアナリシス(映画を見る(聴く)とはどういうことか)  第?章 記号の視認(亡命映画作家フリッツ・ラング)  第?章 表象問題としてのホロコースト映画(映画の観客とはいかなる主体か) 第2部 映画史を書く ...

【目次】  序言 マイナー映画のために 第1部 映画を見る  第?章 サイコアナリシス(映画を見る(聴く)とはどういうことか)  第?章 記号の視認(亡命映画作家フリッツ・ラング)  第?章 表象問題としてのホロコースト映画(映画の観客とはいかなる主体か) 第2部 映画史を書く  第?章 列車の映画あるいは映画の列車(モーション・ピクチュアの文化史)  第?章 アメリカ映画のトポグラフィ(D・W・グリフィスのアメリカン・インディアン初期映画)  第?章 アメリカ映画史の二重化(オスカー・ミショーと黒人劇場専用映画)

Posted by ブクログ

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