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一日一日が旅だから
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2001/10/10 |
JAN | 9784622048145 |
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一日一日が旅だから
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メイ・サートンさんの詩集ですね。 メイ・サートンさん(1912―1995)ベルギー生まれ。 四歳のとき父母とともにアメリカに亡命。 一時劇団を主宰するが、最初の詩集(1938)の出版以降、著述に専念。小説家、詩人であり、日記、自伝的作品も多い。 2001年発行 訳は、...
メイ・サートンさんの詩集ですね。 メイ・サートンさん(1912―1995)ベルギー生まれ。 四歳のとき父母とともにアメリカに亡命。 一時劇団を主宰するが、最初の詩集(1938)の出版以降、著述に専念。小説家、詩人であり、日記、自伝的作品も多い。 2001年発行 訳は、武田尚子さん(岡山県生まれ)翻訳家。 この詩集は、武田尚子さんの選出に寄る。 「メタモルフォーゼ」 それはいつも わたしの留守の間に起こる 大楓は宙に躍り上がり 生命をはじかせ 中国風の緑の 小さなパラソルが開いて こずえを波うたせる。 けれどかんぬきがはずれるのを つぼみのポンとほころびるのを 見た人がいるだろうか 春はきまってあそこに さきがけてくる。 風を愛でる人よ うつろな空気のなかの かすかなそよぎにも こころを留めるあなたよ 見上げてごらん ある日 うすれてゆく暁闇のとばりの彼方に 星は消え あたりが万緑にうずまっているのを 影は影をかさねて色濃く やさしくもあざやかに歌がながれるのを。 耳をすまして 風を愛でる人よ 青葉の季節がここに! 「オリオール」(高麗うぐいすのこと) あの日楓は 光につつまれて立っていた 透きとおる若葉の緑を身にまとって するとふいに オリオールが鳴いた いちどだけ まれにしか姿をみせない あの鳥が。 うつうつと 明けては暮れた朝夕のあと 新しいわが家を得た 悦びのあの日も 時めぐり 恋の魔力がもういちど わたしをとらえた今日もまた オリオールが。 大いなる楓の 頂きに向けて あなたの名を呼べば あの鳥が見える あそこに 口をきいたよ あの炎の鳥が! 「ときどきわたしは死にたくなる」 ときどき わたしは 死にたくなります。 もうよい みなおしまいにしたい ベッドづくりもこれが最後 手紙に返事を書くのも 植木に水をやるのも忘れよう もうよい 一日一日を生き永らえるための こんなおつとめは。 そんなことをいいながら ほんとうは 死にたくないのです。 木の葉が色を変えはじめたいま もういちど あの赤と金とを見たいのです 一枚のもみじ葉が きらめく陽光のなかを くるくると舞い落ちてゆくのを せめて もういちどだけは。 「至福」 夜のなかば 寝室は月の光に洗われ 外には 引き潮の ひそやかなつぶやき 欠けてゆく月の まぢかに ヴィナスが見える いたずら好きなふくろうは ごきげんでホーホーと鳴き 猫のピエロットはごろごろと 掌の下でさざなみをたてる そしてこのいっさいが 薔薇の香のなかで沐浴 ベッドのかたわら いつも 木や花のふんだんにあるところで。 夜もなかば 生きていることの至福よ! 自然への繊細な感応と、生きる悦びを美しく詩に浮かびあがらせます。 他にも、家族愛に満ちあふれた詩編も綴られていています。 翻訳の武田尚子さんが、五百を超えるメイ・サートンさんの詩作から、好きな作品のなかから選ばれた二十二編の詩集です。 ながくサートンさんの翻訳を手掛けかけてこられた、武田尚子さんの訳は、サートンさんの詩情を高らかに謳えあげています。 良いですね。私の好きなロマンやメルヘンにも通じて、生きる喜びが感じられる詩集ですね。
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小説家、エッセイスト、そして詩人であったメイ・サートン(1912~1995)の詩集「一日一日が旅だから」、2001.10発行、武田尚子さんの編訳です。一杯の水、祈り、一日一日が旅だからに分けられ、それぞれ数編の詩が納められています。著者の青年、壮年、老年の作と思われます。
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この詩集はメイ・サートンの青年・壮年・老年を代表する三部から構成されている。どの時期にも共通しているように感じるのは「大切に生きる」ということ、「大切に生きている」認識だと僕は思う。 詩人のその認識は力強い。 自然と共に生きる、年老いても生きる、死にたくなっても生きる、そして人間...
この詩集はメイ・サートンの青年・壮年・老年を代表する三部から構成されている。どの時期にも共通しているように感じるのは「大切に生きる」ということ、「大切に生きている」認識だと僕は思う。 詩人のその認識は力強い。 自然と共に生きる、年老いても生きる、死にたくなっても生きる、そして人間として生ききる決意。一面から見たらそれは美化していることになるのかもしれないが、僕は「人間であることを選べ」と言い切る詩人の生々しい生へ向けられた姿勢に、憧れすら抱いてしまった。 老年に差し掛かると詩人は、生の向こうにある「死」を視野に入れ始める。 それでも訪れるいつかの死まで、今を大切にし、未来への生の希望を言葉に託す詩人の願いが、当然であるべき姿のようで、どっしりとした大きいもののような気する。その根幹がぶれない強さが詩人の「大切に生きる」ことに対する力強い認識であると思った。 大切にとは、感じること、見ること、意識すること。
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