- 中古
- 書籍
- 書籍
地上の夢キリスト教帝国 カール大帝のヨーロッパ 講談社選書メチエ224
1,980円
獲得ポイント18P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2001/10/10 |
JAN | 9784062582247 |
- 書籍
- 書籍
地上の夢キリスト教帝国
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
地上の夢キリスト教帝国
¥1,980
在庫なし
商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
カール大帝の戴冠の意義を描く。 戴冠はただのお墨付きではなく、ローマ協会がコンスタンティノープル教会と対等となろうとしていた背景や、カール大帝が「キリスト教帝国」という理想を掲げていたことは大変興味深く、勉強になった。 次代のルイ敬虔帝が息子達と争わず、その理念がきっちり引き継が...
カール大帝の戴冠の意義を描く。 戴冠はただのお墨付きではなく、ローマ協会がコンスタンティノープル教会と対等となろうとしていた背景や、カール大帝が「キリスト教帝国」という理想を掲げていたことは大変興味深く、勉強になった。 次代のルイ敬虔帝が息子達と争わず、その理念がきっちり引き継がれ、教会が強固な官僚組織として構築されていけば中国のような広大な帝国が建設されたのだろうか。そんな想像が掻き立てられる。
Posted by
カロリング家の王権◆キリスト教社会拡大への果てしなき戦い◆ラテン語で結ばれる知のネットワーク◆「旅の王権」と「首都」アーヘン◆西方キリスト教世界の指導者◆皇帝戴冠-〈ヨーロッパ〉誕生◆神の国の建設
Posted by
日本語で読める数少ないカール大帝の評伝。 カール大帝と言えば必ず世界史で習うし、「カールの戴冠」は当然に聞いたことはあるけど、でも具体的にどんな事跡を残した人物かと言われると案外知られていない。 本書で描かれるカール大帝は一言で言えば「キリスト教帝国を築き"ヨーロッパ...
日本語で読める数少ないカール大帝の評伝。 カール大帝と言えば必ず世界史で習うし、「カールの戴冠」は当然に聞いたことはあるけど、でも具体的にどんな事跡を残した人物かと言われると案外知られていない。 本書で描かれるカール大帝は一言で言えば「キリスト教帝国を築き"ヨーロッパ"を誕生させた人物」となるだろう。 カールが属するカロリング朝フランク王国は、8世紀の前半よりローマ法王権との接近が進んでいた。 当時のローマ法王はランゴバルド族の侵入に頭を悩ませながらも、ビザンツ帝国とは聖像禁止令以来関係が完全に冷え切っていた。俗世における新しい法王権の庇護者を求めて、イスラム教徒の侵入からキリスト世界を守ったカロリング家に接近をしていた。 自身らの王権の正当化・強大化を図りたいカロリング家と思惑が一致し、カールの父・ピピン3世の頃に法王権の支持によりカロリング朝は成立した。 カールが王位に就いたのは、このような流れで徐々にカロリング朝フランク王国の中に、キリスト教の庇護者としての使命感が浸透し始めていた頃にあたる。 カール大帝の治世前半はひたすら戦に明け暮れる。 ザクセン、バスク、ランゴバルド、アヴァールと、北へ南へ東へ、異民族征討に奔走するが、この背景には非キリスト教徒に対する「聖戦」、つまり単なる制圧以上に異教徒改宗を目的として行われたのだという。 制圧後の各地の統治にもキリスト教理念を浸透させることを柱に行われた。 「カロリング・ルネサンス」と一般に呼ばれる文芸復興活動も、基本はキリスト神学をベースにした知識人の育成を通して、教会体制の刷新を図ったものであったようだ。 「キリスト教帝国」という理念は、その知識人集団のなかでも特にカールに強い影響を与えたアルクインの発想によるものだったという。 カールの戴冠は、このようなキリスト者として法王の宗教的権威を柱とした治世の、当然の帰着点だったように思われる。 ここにおいて、キリスト共同体は政治的共同体としての意味合いも併せ持つようになる。キリスト教理念により緩やかに結合された政治的次元としての"ヨーロッパ"はまさにこの時誕生したと言えるだろう。 いささか、本書はカールをほめ過ぎと言うか、良い点にばかり着目している観はある。 しかしそれゆえに、カールが理想とした政治は何か、そして後世に対して如何に大きなインパクトを残したか。 そういったことがストレートに伝わってくる。 一般向け教養書としては十分、得るものが多い一冊だと思う。
Posted by