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紛争の心理学 融合の炎のワーク 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2001/09/20 |
JAN | 9784061495708 |
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紛争の心理学
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紛争の心理学
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商品レビュー
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13件のお客様レビュー
「トラブルに価値を認めるのだ。あるがままを受け入れてほしい。争いで平和を築くのである。」 特権に自覚的になること。普段避けている偏見や価値観についての話題を、あえて包み隠さず他者と話し合うこと。そして他者の怒りを虐げられたものの抵抗として受け止め、その歴史的、社会的背景までも理...
「トラブルに価値を認めるのだ。あるがままを受け入れてほしい。争いで平和を築くのである。」 特権に自覚的になること。普段避けている偏見や価値観についての話題を、あえて包み隠さず他者と話し合うこと。そして他者の怒りを虐げられたものの抵抗として受け止め、その歴史的、社会的背景までも理解しようと試みること。傍観や無関心ではなくあらゆる虐待をなくすよう自ら働きかけること。 事例を交えながら、ランク、ダブルシグナル、長老といった独自の用語を用いてワールドワーク(討議の場での話し合い)の心得?を解説する。語り口はエッセイのようだが、その実践の内容は軽いものではなく、著者がファシリテーターとして参加した事例は紛争地帯の対立グループ同士の対話や、黒人と白人、また異性愛者と宣教者、テロリストなど多岐にわたる。 討議のファシリテーターとしての「長老」に要求される技能は非常に高いものだ。討議の場に現れるダブルシグナルを見逃さず、秘められた怒りの感情など抑圧された気持ちの吐露を促しつつ、参加者の誰にも加担しないように、批判が特定の人物に集中しないように気を配って、対話によって参加者を新しいステージへと導いていく。長老になるのはとても無理だと思ったが、あらゆる対人関係の基礎になるようなエッセンスが詰まった原液のような本であることは間違いない。爪の垢を煎じて飲むくらいのことはしたい。
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2020年30冊目。 「争いで平和を築くのである」......最後に出てくるこの言葉が強烈に響く内容だった。 ファシリテーションというと、どこかに「争いや対立を起こさないようにまとめる」というイメージがあった気がする。けれど本書が提唱するワールドワークのファシリテーションは、...
2020年30冊目。 「争いで平和を築くのである」......最後に出てくるこの言葉が強烈に響く内容だった。 ファシリテーションというと、どこかに「争いや対立を起こさないようにまとめる」というイメージがあった気がする。けれど本書が提唱するワールドワークのファシリテーションは、むしろ対立構造を浮かび上がらせ、ある意味で対立を促す。そのために、それぞれが抱える怖れ・怒り・偏見のような負の感情を、あえて表面化させていく。 深い場所に隠された感情は、表面的な解決策が為された後もくすぶり続ける。表面的に解決されることによって、そのくすぶりは覆い隠され、見えづらくなる。これはむしろ危険なのではないかと思わされた。 対立が表面化することで、そこにいる人々には様々な「自覚」が促される。ワールドワークは「自覚の政治学」だと表現されるくらい、コミュニティの構成員一人ひとりによる様々な自覚が前進の鍵を握ると言われている。 その自覚対象として大きな力を持つのが「ランク」という概念。それぞれの立場にある者たちが、無自覚に抱いている特権意識。これを自覚しないまま取られるコミュニケーションには分断が生まれる。 ランクの自覚は、自分が権力を持つ主流派側にいることだけに限られない。マイノリティの犠牲者とされる人々のなかにも、それゆえの特権を無自覚に抱いていることがある。同様に、主流派側にも、その立場ゆえの脆弱性が潜んでいる。 どんな立場にある人たちも、ある面では脆弱であり、ある面では特権を持っている。その善し悪しを判断するのではなく、そういうものを持っているという自覚そのものからすべてが始まるのだと思った。自身は抑圧者でもあり、犠牲者でもある、その両面性に、痛みを伴ってでもちゃんと気づくこと。 ファシリテーターの役割は、その痛みの表現を促し、場合によっては一時的に対立を生じさせ、コミュニティに自覚を育むこと。だからこそ、まずファシリテーター自身が、自分の感情やランクに自覚的でなければならない。 この本が説いていることは、生半可な覚悟では実行できないように感じる。原題は「Sitting in the Fire」。くすぶっている火種に薪をくべ、火を消したいという本能に抗い、燃え盛る炎のなかに留まる意志が求められる。 けれど、そのために必要な心構えは、強靭な強さではなく、むしろ、物事を燃えるままに委ねる穏やかさなのかもしれない。 今の時代に、強く求められている本だと感じる。
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ユング派に属しつつ、身体とか、夢とかを重視しつつ、タオイズムやさまざまなシャーマニズムなどなどを統合したミンデル。 その手法であるプロセス・ワークを社会問題に展開したもの。 社会におけるさまざまな紛争に伴うさまざまな苦痛や偏見、憎悪をあえて表出させることを通じて、その解決...
ユング派に属しつつ、身体とか、夢とかを重視しつつ、タオイズムやさまざまなシャーマニズムなどなどを統合したミンデル。 その手法であるプロセス・ワークを社会問題に展開したもの。 社会におけるさまざまな紛争に伴うさまざまな苦痛や偏見、憎悪をあえて表出させることを通じて、その解決を出現させるという感じかな。 例えば、いわゆる「対話」だったら、一旦、自分の意見をサスペンドした「対話」をすることを通じて、社会的な問題を解決しようということになるのだろうけど、このアプローチは、はるかに熱いというか、「炎のなかに座ること」を通じて「出現」する解決という感じかな。 センゲ一派のアダム・カヘンは、「手強い問題は、対話で解決する」で、「問題当事者がやっぱり話し合い気がなければ、うまくいかないねー」的なことを書いていたが、この本はもっと社会問題の解決の可能性についてポジティブな感じ。 偏見的な意見、憎悪に満ちた意見に対しても、冷静、中立的に対応するだけでは駄目ということかな。 つまり、そういう冷静な態度自体が、一種の優越性を前提としているということ。 憎悪する感情に対しても、自分のなかにあるものとして、受け入れること。 憎悪を抑圧するのではなく、受け入れ、ある意味、身体的に増幅することを通じて、解決を見出すみたいな感じ。 そんなんでどうにかなるのか、と思うのだが、ファシリテーターが、メタスキルをもって、接すれば、どうにかなるそうだ。 主旨としては、分かるのであるが、本当に、そんなことが可能であるのかは、やっぱり実感できない。 こうなったら、プロセス・ワーク方面のワークショップにでも参加してみるか。かなり、怖いもの見たさの世界ではあるけど。
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