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時の扉をあけて 創元SF文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2000/04/24 |
JAN | 9784488714017 |
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時の扉をあけて
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商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
やっぱりタイム・トラベルものは良い。そんな気持ちにさせてくれた本書ですが、読後はどこか悲しい感情に打ち拉がれてしまいました。 主人公はジョン・R・ランド。飲んだくれの父親と、気丈ではあるが父親の暴力に何もできずにいる母親。そんな両親の喧嘩に何もできないジョンは、ひとり祖父が残し...
やっぱりタイム・トラベルものは良い。そんな気持ちにさせてくれた本書ですが、読後はどこか悲しい感情に打ち拉がれてしまいました。 主人公はジョン・R・ランド。飲んだくれの父親と、気丈ではあるが父親の暴力に何もできずにいる母親。そんな両親の喧嘩に何もできないジョンは、ひとり祖父が残した屋敷の三階へ。クローゼットの中にある不思議な扉を抜け、その向こうにある階段を駆け下りると、そこは50年前の世界なのだ… 本書は過去へと旅立った少年が贈る悲しみに満ちた運命の物語です。 「扉を抜けると別世界」というのは、SFに限らず例えばファンタジー作品でも出てくる台詞。大抵は、こちらの世界に何かしらの不満やコンプレックスを抱く主人公が、扉の先の世界でそれを克服していく…という物語が想像されます。本書の主人公ジョンも両親の喧嘩に悩み苦しみます。それに逃避するように扉を抜けるのですが、果たして彼はその悩みを克服できたのか…答えは否。 ジョンは常に運命に翻弄され、悲劇の真っ只中に身を投じます。最後こそ、大団円のそぶりが見られますが、当初の目的である「母親を救う」ことはついに果たせていません。そんな物語だからこそ、時間を超えても運命は変えられない(むしろ本書は時間を超えるからこそ運命が廻ってしまうのですが…)、そんな運命の残酷さを感じる作品なのでした。
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ファンタジー的サスペンス的タイムトラベル系作品。ひとつのジャンルに収まらない微妙なバランスの上に立つ作品だけど、テーマは一貫しており、極めておもしろい。その意味では、SFとして読まないほうが純粋に楽しめると思う。タイムトラベル自体は言わば一つの装置であって、作品の主眼はその装置を...
ファンタジー的サスペンス的タイムトラベル系作品。ひとつのジャンルに収まらない微妙なバランスの上に立つ作品だけど、テーマは一貫しており、極めておもしろい。その意味では、SFとして読まないほうが純粋に楽しめると思う。タイムトラベル自体は言わば一つの装置であって、作品の主眼はその装置を通して過去や未来に対峙する主人公の心理描写にある。巻末の解説もそうした面から書かれているが、「~こそが~なのだ」と説かれるそれの大部分は解説者の付会。勝手な人物設定をもちこんで作品の読みを狭めてしまうにはもったいない良作。
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由緒正しきタイムトラベル小説の読後感が得られる。傑作ではないが、作者の緻密に計算された構成から、何度も読み返したくなる良書。
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