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パーフェクト・キル 集英社文庫
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パーフェクト・キル 集英社文庫

A.J.クィネル(著者), 大熊栄(訳者)

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パーフェクト・キル 集英社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/
発売年月日 2000/04/17
JAN 9784087603767

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2019/11/23

これは「マイ・ボディガード」原作「燃える男」と同じ『クリーシィ・シリーズ』の第2作目である。 今回の作品は、実際にあった事件を題材にしている。 1988年12月21日の米パンナム103便爆破事件である。乗客243人と乗員15人全員が死亡、また、墜落した村でも犠牲者が出た。 民間...

これは「マイ・ボディガード」原作「燃える男」と同じ『クリーシィ・シリーズ』の第2作目である。 今回の作品は、実際にあった事件を題材にしている。 1988年12月21日の米パンナム103便爆破事件である。乗客243人と乗員15人全員が死亡、また、墜落した村でも犠牲者が出た。 民間機によるテロと言えば、2001年9月11日の同時多発テロが記憶に新しい。ニューヨーク市マンハッタンの世界貿易センタービルに、民間航空機2機が相次いで激突。また、アメリカ国防総省・ペンタゴン本庁舎とピッツバーグ郊外にも墜落した。テロリストにハイジャックされたという点、航空機自体が兵器となった点がパンナム103便とは異なるが、便利で利用客の多い交通手段ほど、テロの標的にされやすいと言える。 さて、9.11の事件は、ビン・ラディンが(イスラム教徒という名を騙って)主導したとされている(彼は10月8日のパキスタン地震で死亡したようだ)。 だが、パンナム103便では、2人の容疑者は特定されたが、本当の意味での首謀者は確定されていない。そこを突いて、作者クィネルは、パレスチナ解放人民戦線のある人物が黒幕であるとし、今回のクリーシィの敵役に仕立て上げたのである。 物語は、基本的には復讐劇であるが、むやみに感情に走るようなことはしない。緻密な計画(いや、むしろ軍事作戦と言うべきか)を練り上げ、冷静沈着に遂行していく。特に圧巻なのは、跡継ぎとすべく養子として迎え入れた若者を狙撃手として育て上げる場面。スティーブン・ハンターの「極大射程」やジェイムズ・セイヤーの「地上50m/mの迎撃」といったスナイパーものには及ばないが、一流の狙撃手というものがいかに特異な能力と訓練によるものなのかということは分かるだろう。 もちろん、復讐だけでこの物語の全てを語るわけにはいかない。人間愛に目覚めるクリーシィという設定も、また、お約束だからである。 私は、不覚にも、涙してしまった。。 またしても、ミリタリーファン&武器オタクにはたまらん一冊となっている。

Posted by ブクログ

2019/04/13

本作発表の1992年時点ではまだ覆面作家だったクィネルが、処女作と同じ元傭兵クリーシィを主人公に据えた作品。以降シリーズ化しており、結末で次に繋がる流れを用意している。 1988年12月、パンナム103便がテロによって爆破された。乗員乗客全員が死亡、落下地スコットランドの住民ら...

本作発表の1992年時点ではまだ覆面作家だったクィネルが、処女作と同じ元傭兵クリーシィを主人公に据えた作品。以降シリーズ化しており、結末で次に繋がる流れを用意している。 1988年12月、パンナム103便がテロによって爆破された。乗員乗客全員が死亡、落下地スコットランドの住民らをも巻き添えにした。その中にはクリーシィの妻子もいた。同事件で妻を失った米国上院議員に接触し、情報と軍資金を調達。首謀者をパレスチナ人民解放戦線の議長と絞り込んだクリーシィは、居住していたマルタの島ゴッツォで、報復の機を待つ。 己の復讐完遂のために、クリーシィは無名の女優と偽装結婚した上で、孤児の少年を養子に迎え「殺人機械」に鍛え上げる。その必然性が極めて薄い。「補助役」として利用された少年には、当然「母親」への愛情が芽生えていく。物語の大半を占めるのは、かりそめの家族に感情の揺らぎが生じていく過程だが、須く暴力的な末路へと至るため、クリーシィの非情さのみが浮き立つのである。 「燃える男」(1980年)から、10年以上を経ての復活となったが、「メッカを撃て」や「血の絆」など高水準の冒険小説を上梓しながらも、結果的にデビュー作を超えるものを生み出せなかったことと、作家自身のアイデア枯渇なども要因としてあったのだろう。マフィアを相手に壮絶な復讐劇を繰り広げる傑作「燃える男」は、狐狼の血の滾りを熱い筆致で描き切り、読了時のカタルシスは相当なものだった。本作もプロットはシンプルな復讐譚だが、活劇小説としての完成度は低いと言わざるを得ず、残念ながらクィネルの魅力を存分に味わえるとは言えない。次作への単なる伏線ともいうべき長い序章を読まされた気分だ。

Posted by ブクログ

2019/03/29

大好きなA.J.クイネル氏の、大好きなクリーシィ・シリーズ第二弾です。 マルタ島で静かに暮らす元傭兵クリーシィに、突然の不幸が降りかかった。 愛する妻と4歳の娘を乗せた米パンアメリカン航空機103便ジャンボ機が、スコットランド上空で爆破させられたのだ。テロリストの仕業か、それと...

大好きなA.J.クイネル氏の、大好きなクリーシィ・シリーズ第二弾です。 マルタ島で静かに暮らす元傭兵クリーシィに、突然の不幸が降りかかった。 愛する妻と4歳の娘を乗せた米パンアメリカン航空機103便ジャンボ機が、スコットランド上空で爆破させられたのだ。テロリストの仕業か、それとも政治的な陰謀か。 妻子の復讐を誓うクリーシィは、孤児マイケルを養子にし、自らのパートナーとなるべく鍛え上げ、事件の真相究明に乗り出す。 クリーシィの人生には「安寧」とか「幸福」とかいうものはないのでしょうか… (クリーシィの生き方がそうさせているとは思えない) ナディアと結婚し、娘ジュリアを幸せな生活を送っていたにも関わらず、パンナム103便爆破事件(実際にあった)により、最愛の妻子を失ってしまうクリーシィ… 孤児院で育ったマイケルを養子に迎えて、訓練を受けさせるためにレオーニと半年間偽装結婚し、『家族』を再び得ることができたが、本物の家族だと確認できた直後に、レオーニまでもが殺されてしまうとは。 「あんたに復讐の占有権はない」と言ったマイケルの言葉通り、クリーシィとマイケルを裏で支える極めて優秀なバックアップチームとともに、彼らは再び復讐を果たす。 「家族」というのがキーワードとなるこの作品。 血はつながっていなくても、強い絆で結ばれた家族は絶対的なものだと思わせてくれます。 ドゥンガー・ジャスト・バスネ(ネパール語で「石と化せ」)

Posted by ブクログ

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