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南回帰線 講談社文芸文庫
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南回帰線 講談社文芸文庫

ヘンリー・ミラー(著者), 河野一郎(訳者)

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南回帰線 講談社文芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2001/01/10
JAN 9784061982451

南回帰線

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商品レビュー

4.8

4件のお客様レビュー

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2010/09/10

『北回帰線』よりすばらしい文章がたくさんある。『南回帰線』の方から読むべき。例えば以下。 「すべての中に、ぼくはすぐさま対立と矛盾を見いだし、現実と空想のあいだに皮肉を、逆説を見てとった。ぼくにとってはぼく自身が最悪の敵だった。せずにすむことで、どうしてもしたいことは何もなかっ...

『北回帰線』よりすばらしい文章がたくさんある。『南回帰線』の方から読むべき。例えば以下。 「すべての中に、ぼくはすぐさま対立と矛盾を見いだし、現実と空想のあいだに皮肉を、逆説を見てとった。ぼくにとってはぼく自身が最悪の敵だった。せずにすむことで、どうしてもしたいことは何もなかった。何不自由ない子どものころでさえ、ぼくは死にたいと思っていた--あくせくしたところで無意味なことがわかっていたので、早々と降参してしまいたかったのだ。自分から求めたものでもない人生をつづけたところで、何の証にもならず、何一つ具体化するはずもなく、ふえたりへったりするものでもないという気がした。どちらを向いても落伍者ばかり、落伍者でない奴は、鼻持ちならなかった。特に成功者連中は。成功者連中には、涙が出るほどうんざりさせられた」(pp.9-10) 「原稿を見せた連中はどいつもこいつも、ひどい出来だと酷評した。ものを書くなどという考えはあきらめろ、とまで言われた。バルザックではないが、自分の名前が署名できるようになるまでには、何十冊もの本を書かねばならないことを、ぼくも学ばねばならなかったのだ。作家たらんとするものはすべてを投げ打ち、書くこと以外は何もしてはならぬこと、たとえ世界じゅうの人間がやめろと言おうと、たとえだれ一人信じてくれるものがなかろうと、ただひたすら書きつづけねばならぬことを僕は学ばねばならなかったし、まもなく学ぶことになった。あるいは、だれも信じてくれないがために書くのかもしれない。世間に信じさせたいがために書く、というのが本当のところかもしれない」(p.48) 「精子のごとき最下位の存在にも、最高位の存在である神と等しい至福の状態がある。神とは、完全な意識に達した全精子の総和に他ならない。最下位と最上位のあいだに段階は、中間駅はない」(p.304) 極めて人気のない講談社文芸文庫においておくのがもったいない本。

Posted by ブクログ

2009/08/26

   20代後半からこの作家をよく読んだ 特にパリに脱出前のこの時期がいい    北回帰線より奇をてらったり気負いがなく文章も荒削りでない    たぶん北回帰線より前に書き溜めていたのではないか思うのですが。。       <本は泣ける>と知人は言っていたけど私にとってはこの本が...

   20代後半からこの作家をよく読んだ 特にパリに脱出前のこの時期がいい    北回帰線より奇をてらったり気負いがなく文章も荒削りでない    たぶん北回帰線より前に書き溜めていたのではないか思うのですが。。       <本は泣ける>と知人は言っていたけど私にとってはこの本がそうです    最後のアメリカに対する<さよなら>のくだりは爽快感を伴った感涙です   多数の読者にとって雑音に聴こえる彼の観念の機関銃乱射が   ともかく私にはメロデイのある心地よいドラムのように聴こえるし   現代の吟遊詩人と言われていたけどそのとおりで   なにを表現しても散文詩としかとらえようがない        人生の悲喜劇を描こうとして自分をその主人公にすえたこと    <私には天使の透かしが入っている>という自意識とか     美醜を超越している行動に悪く言われることも多いけど    それは彼の生命力の強さであり けっしてエゴの強さではないとついつい味方してしまう   でも初めから小さな良識判断を差し引いてもこの作家は初めから有罪です 笑   <読書の自由の擁護>の論文の際 みずからの猥褻裁判に対して   あっさり有罪と認めているんですから 笑   初めから言葉で常識なり良識に作家自身が体当たりする覚悟が出来ていたんでしょう           <読者の血となり肉となる本を書きたい>      文章表現は一見過激ですがミラーは善意のあるほんとにいい作家です    会ったことはないですが大好きです 笑   

Posted by ブクログ

2009/05/13

アナーキストに影響を受けたミラーの姿がその文体からもありありと見る事ができるが、それだけにとどまらずあらゆる人間とその知性の領域を徘徊した彼が辿り着いた、人間と人間社会の有り様に恐れおののくと共にそこに歓喜を見いだす。

Posted by ブクログ

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