新しい文明の提唱 未来の世代へ捧げる

村田光平(著者)

• 販売会社／発売会社: 文芸社/
• 発売年月日: 2000/12/01
• JAN: 9784835507965

商品レビュー

2012/12/02

俺は原発に反対しているけれども、世の中に対して具体的に何をすれば良いのかまだ分かっていない。
でもこの本を読んで、あらためてもっと努力しなくちゃと思えた。
２つ抜粋。
1つ目。
「要するに今の世代の前の世代は、あまりに多くの人を殺しすぎた。
では今の世代は何をやっているかといえば、未来の世代の利益を、まったく倫理に反して抹殺しているのです。」
2つ目。
「ここで第二次大戦におけるある二等兵の手記を紹介したい。『オオトモゴロウ、コイデヒデオの2人の戦友が死んでしまった。
わが隊ではもうすでに37人の戦死者である。ダーウィンは進化論を展開して人類の霊長たるを説く。
そして社会も進化するなりとスペンサーは言いへり。
幾十万の人類の歴史を一瞬と考えるのであらば、それも可なり。進化を期待するのが人類たりとせば、期待する分だけは多少の変化
があるからだ。さりとて顕著に進化したるは人たらずして科学のみにあらざるか。人の進化は今ここに断言する。
無なり。人の罪を説きしキリスト、仁を説きし孔子、苦を説きし釈迦、和を説きし聖徳太子、いずれも今ここに信じ難し。
信ずるものあらば今日この戦場に片鱗たりとも見えようものを。今いずくにかある。ここに今無慈悲の地獄あるのみ。』
誰も救ってくれない窮地にある兵士の日記は、このように最後を括っている。そしてこの兵士はその後
マラリアにかかって亡くなる。この日記で彼は、科学技術が進化しても、人間は進化していない。
人間は科学技術によって地球を破壊し、時に人類を不幸にするということを言っているのだろう。」