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ユートピアの消滅 集英社新書
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ユートピアの消滅 集英社新書

辻井喬(著者)

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ユートピアの消滅 集英社新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/
発売年月日 2000/11/22
JAN 9784087200669

ユートピアの消滅

¥220

商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

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2017/09/12

ユートピアをめざした社会主義という壮大な実験は失敗に終わり、他方で勝利したはずの資本主義圏の人々はユートピアの喪失した消費社会の中で憂鬱な日々を送っているという現状を押さえ、ユートピアの再生は果たして可能かという問題を提起している本です。 著者自身がアメリカやソヴィエト・ロシア...

ユートピアをめざした社会主義という壮大な実験は失敗に終わり、他方で勝利したはずの資本主義圏の人々はユートピアの喪失した消費社会の中で憂鬱な日々を送っているという現状を押さえ、ユートピアの再生は果たして可能かという問題を提起している本です。 著者自身がアメリカやソヴィエト・ロシア、中国で経験した事例が挙げられており、部分的には興味深いところもあったのですが、それらが著者の「個人的なこと」の次元にとどまり、普遍的なレヴェルへともたらされていないように感じました。 もっとも、普遍的なユートピア思想こそが悲劇を生み出すということこそ、私たちが20世紀の歴史から学ぶべき教訓であることは事実だと思います。また、共産主義と消費社会に夢を託した人々にとっては、現在の私たちが立っている場所を確かめておくことは必要だったのかもしれません。それでも、もう少し先の展望をポジティヴに語ってほしかったように感じてしまいました。

Posted by ブクログ

2017/02/15

堤清二のユートピアの根拠地になったかもしれない西洋環境開発の清算が行われた2000年に書かれた新書。経済人 堤清二ではなく小説家 辻井喬の名前を使用しているのは現実のビジネスには相性の悪そうなユートピアについての論考だからでしょうが、しかしその思索のベースはソビエトとの商談の体験...

堤清二のユートピアの根拠地になったかもしれない西洋環境開発の清算が行われた2000年に書かれた新書。経済人 堤清二ではなく小説家 辻井喬の名前を使用しているのは現実のビジネスには相性の悪そうなユートピアについての論考だからでしょうが、しかしその思索のベースはソビエトとの商談の体験に根ざしたものです。そしてそのディールのひとつひとつが彼の経歴の個性である学生時代、社会主義へ夢見たものがソビエト社会では実現していないことの確認作業なのでもありました。その一方でヨーロッパの現実的選択としてのEUに対する期待を滲ませます。しかしその挑戦も昨年のBREXITに始まる危機が迫って来ています。堤清二と辻井喬が結局は同一の人間であるように経済はユートピアと同一の社会として成立するのでしょうか?「ユートピアの消滅」という書名ながら少なくとも著者はそれを夢見ていたと思います。「商業空間は何の夢を見たか」からの本書。

Posted by ブクログ

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