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原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識
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原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識

広瀬隆(著者), 藤田祐幸(著者)

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原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京書籍/
発売年月日 2000/11/15
JAN 9784487795420

原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識

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商品レビュー

3.3

7件のお客様レビュー

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2017/10/12

東日本大震災前の著作。 原子力発電の原理や効果、リスクや海外での原子力事情など網羅的で、タイトルの通り基礎知識はかなり知ることができる。 自分は正直原理とかはよくわからないので読み飛ばしてしまったが、それでも余りある情報量だと感じた。 例えば、原子力発電は、電力量を調節しに...

東日本大震災前の著作。 原子力発電の原理や効果、リスクや海外での原子力事情など網羅的で、タイトルの通り基礎知識はかなり知ることができる。 自分は正直原理とかはよくわからないので読み飛ばしてしまったが、それでも余りある情報量だと感じた。 例えば、原子力発電は、電力量を調節しにくい発電方法であるため、夜間のベースライン電力を賄うのに使われており、昼間などの変動する電力火力発電で、夏場などの一時的なピーク電力は揚力発電で賄うというのは、初めて知ったが、なるほどと思った。 だから、原子力発電を増やしてもピーク電力には対応できないとのこと。 また、原子力発電所を誘致した場合の支援金についても言及されていて、原子力発電所を誘致しても街の財政はよくならないと著者は主張している。 原発が来る場合、まずは電源三法交付金という一時金が支給され、その後は固定資産税による収入が主となる。 前者は箱モノ(建造物)にしか利用できず、用途が限られるため財政改善は困難で、後者の償却も16年で終了し、その後は特に原発によるメリットはないのだという。 本書では脱原発の方向の話が多く、本書によればメタンハイドレートの発見により、化石燃料の枯渇はほぼ解消されたため、無理に原子力を使う必要はないというが(メタンハイドレートは1万年分の消費量が埋蔵しているらしい)、そういった話も個人的には初めて知ったので勉強になった。 本書は、東日本大震災前の著作だからこそ、今では埋もれがちな過去の事故事例(東海村、スリーマイル)なども数多く取り上げられており、それも本書の魅力です。 原子力系の本ではかなりオススメ。

Posted by ブクログ

2011/09/06

タイトルには「基礎知識」と銘打ってありますが、内容は完全に反原発です。それが悪いということではありませんが、誤解を招く恐れはないでしょうか。帯には「標準的なテキスト」ともあります。あまりにも皮肉を効かせた語り口は標準的なテキストとは思えません。 私自身、反原発でありますしその内容...

タイトルには「基礎知識」と銘打ってありますが、内容は完全に反原発です。それが悪いということではありませんが、誤解を招く恐れはないでしょうか。帯には「標準的なテキスト」ともあります。あまりにも皮肉を効かせた語り口は標準的なテキストとは思えません。 私自身、反原発でありますしその内容に関しては同意することばかりではありますが、基礎知識を得るための標準的なテキストとは言えない気がします。 ちなみに私が著書の中で最も記憶に残っているのは、海水で廃熱を逃がしているその量と温度です。温暖化防止ですら嘘なんですね。

Posted by ブクログ

2011/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

10年程前(2000年)に反原発の立場で書かれた本。地震大国日本での原発の危険さ、汚さ、放射性廃棄物の処理が大問題な点、実は原発は非経済な点、それなのになぜ電力会社は原発にこだわるのかということ、自然エネルギーなんかじゃなくても原発よりよっぽど効率の良い発電方法がある点、将来的に日本は電力をどうすれば良いのか、などなど、単なる感情的な反原発ではなくて比較的客観的に説明されている(広瀬隆が執筆している部分は皮肉たっぷりな表現も多いが)。福島原発のメルトダウンでは、まさしく本書に書かれた警告が実現したことが分かります。あと、よく聞く”再処理”ってのは、放射性廃棄物を処理して無毒にするように感じますが、実は「放射性物質の濃縮(プルトニウムの取り出し)+高レベル放射性廃棄物の生産」ということのようです。そして六ヶ所村は死の灰の集積所にされつつある。 ====== 4章「原発事故」は興味深い。チェルノブイリ事故やスリーマイルの事故の詳細が分かるだけではなく、日本でこれまで発生してきた事故が詳しく解説されている。一歩間違えれば大事故につながる事故が、日本でも結構頻繁に起きていたという事実(そして今回の福島原発)。基本的には全て人災。どんなに備えても人間のすること、10年に一度ぐらいは事故は起きます、そしてたまに大事故になります、ってのが過去の実績のようです。 ======= なんで原発にこだわるのかっていうと、アメリカに売り込まれて国策で始めた原発で食っている産業分野が大きく育ってしまっているから、それを切るわけにはいかない、っていうところが本音か。10年前ぐらいからの電力自由化で、現在の電力会社は水力と原子力ぐらしかやることがないらしい(民間が手を出しにくい)。「俺達には原発しかないんだ!」ってなる。原発無くなるのは困る。そういう状況で東電なんかは別の事業にいっぱい出資しているらしい。 現在は、原発なんかより効率良く費用も安い発電設備もあるらしい。太陽発電とか風力じゃなくて。でもそっちは、小規模で民間なども手を出せるから、電力会社は乗り気じゃないようです。 ======= 一番の問題は、原発から生み出される放射性廃棄物を将来にわたってどうすればよいか分からない状態であること。 たとえ、原発の運転中の事故が起きずに安全に発電できたとしても(既にそれも無理だったが)、だ。つまり、これまで述べられた「原発は安全です」とは、「原発は(運転中に爆発したりしないようにコントロールできそうだから、とりあえず私たちの生きている間は)安全(だと信じたいん)です。」ということだったようである。とりあえず事故が起きないうち(それも既に破綻したが)は、我々(政治家や電力会社)に多大な利益をもたらしてくれるのだ(100年後は知らないけど)。雇用も生み出してくれる。原子力研究にもお金が回る。 ======== 現在の必要電力量は、原子力発電の推進を前提として創りだされたもののようで、揚水発電所は夜間の”余った電力”を利用するための無意味に電力を消費する施設、というのは面白い。水を持ち上げて再び下ろして電気を作る過程で数十パーセントの電力を消費する。なぜ夜間に電力が余るのかと言えば、原発は簡単に止められないため。そして電気は貯めるのが難しく、必要以上に電力を出力すると不安定になるから。原発以外の発電設備は簡単に出力をコントロールできる。

Posted by ブクログ

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