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石牟礼道子対談集 魂の言葉を紡ぐ
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石牟礼道子対談集 魂の言葉を紡ぐ

石牟礼道子(著者)

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石牟礼道子対談集 魂の言葉を紡ぐ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 2000/12/25
JAN 9784309013695

石牟礼道子対談集

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2012/09/29

「魂」というものがすっかり、どこにもなくなってしまったかのような現代。 「魂」たちは、昔、どこにどのように存在していたのだろうか。 大地がアスファルトやコンクリートでおおいつくされる前、靴や草履をはかず、植物たちと同じように人間の足も大地に根ざしていた時代、「魂」というものは、確...

「魂」というものがすっかり、どこにもなくなってしまったかのような現代。 「魂」たちは、昔、どこにどのように存在していたのだろうか。 大地がアスファルトやコンクリートでおおいつくされる前、靴や草履をはかず、植物たちと同じように人間の足も大地に根ざしていた時代、「魂」というものは、確かに存在していたようだ。 ものを捨てずに、たとえば着物なら、何度でも縫い直して、これは誰々が着ていた着物で・・・と、大切に受け継いでいた時代には、ものにも宿っていた「魂」たち・・・ 今は、どこにその「魂」は居場所をおいているのだろうか。 ・・・この本の対談の中では、一番、志村ふくみさんとの対談が印象的でした。 志村さん 「ある時期から植物のほうから語りかけられて、植物だけではなく、いろいろなものがそこへ寄ってきて助けてくれるのです。たとえば、水、風、火などいわゆる地水火風の四大ですね。本当によろこんでくれるように思うんです。水のなかで糸を洗っているときや、糸を陽にかざして風をうけているときなどはお互いによろこび合っているような。」(P106) 「色の根源というのは、光と非常に関係が深くて、根からとれる色(茜とか紫根)をみていると光が地底に凝縮したものではないかと思うのです。」 「植物から出る色というのは必ず液体を通してものに付着するというかたちをとるんです。ですから、気体、液体、固体と宇宙の生成と関係深く色が出てくる。化学分析しても植物の樹液のなかにあるものはとらえきれない神秘的なものがあります。」(P108) ・・・以下、石牟礼さんの言葉を抜き書き。 いまの世の中というのは、人間の倫理の退縮を感じとった遺伝子たちが、どういう世の中が来るかわからないから、荒廃の現場から、いろいで退去せよと指令を出しているのではないでしょうか。 そこには生命の大きな戦略が働いているように思える。早く滅びたいといううか、自滅衝動にかられているんだろうと思います。(P10) いまの他人に対する冷淡さみたいなのは、厳しさなどではなくて、無関心ですよね。この無関心さはただ事ではないと私は思います。世界規模でもそうですね。原発のことも核の問題も。「地球にやさしく」」って言ったって、言葉から魂が脱けています。ああやっぱり言葉がダメですね。魂抜きになってしまっている。 言葉からまず壊れた、これが近代化の一番の芯だと思います。(P39) 各民族っていうのは、民族が誕生するときには、全部神話を持っていますよね。それが二十世紀に入って、そういう魂の遺産を食い潰してしまった。踏んづけて殺してしまいました。神話の中に人間の叡智、民族の叡智がすべて入っていたと思うんですね。・・・・・・・生命の連続性というもの、生命はどのように育てられるべきかと考えてみますときに、草木とか水とか海とか大地とかは、不可欠なものだし、当たり前のものだったわけですよね。そこからほんとうの神話は生まれる。草木があって、川がちゃんと流れていて、人間だけじゃなくて、生命そのものが復活するような場所はなくなりました。 絶望が深いです。こんなに国土をめちゃめちゃにして。よほどのエネルギーと知性が必要です。最後に残るのは知的エネルギーですから。(P46~47) 今は時間があるようでないみたいな世界になっていて、忙しい時間を持って超時間的な仕事をしている人がいるにしても、その人間は時間を失っているんじゃないか。平面的な時間というよりも下の方へ落ちてゆく、その時間もなくなっちゃって、そこへみんな入ってしまっているので、そこで落ちてゆくとき、さっき幻といったけど、自分の美意識の時間を失った世界で、平面に並んでいる感じがしない。落ちてゆく中にみんなおり、その位置がずれている。だから、お互い手がとどかない。それをつなぐべき時間がなくなっているから。(P178)

Posted by ブクログ

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