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日本型コーポレートガバナンス 従業員主権企業の論理と改革
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本経済新聞社/ |
発売年月日 | 2000/12/15 |
JAN | 9784532131906 |
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日本型コーポレートガバナンス
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【書評】 本書は日本型のあるべきコーポレートガバナンスを検討した書で、日本企業の従業員主権的なあり方が、決して閉鎖的で自己完結的なものではないと主張する。株式会社制度の歴史、日本社会の歴史、資本主義の多様性の観点を検討することで、日本型従業員主権企業の普遍性と合理性を理論的に考察した本である。 曰く、会社が社会構築物である以上、会社の仕組みや法制度は社会に根付かねばならない。日本がせねばならぬは、ただ欧米の型を導入するで無く、日本の歴史と株式会社制度の本質に根ざした改革であり、本書はそのためのたたき台となることを意図して書かれた意欲作である。 【まとめ】 従業員主権という慣行に基づく日本の会社のあり方は「経済合理性」、「制度的有効性」及び「社会的親和性」の観点から正当化出来る。この従業員主権的な考えは、戦中の遺産と戦後財閥改革という「二つの軍政」から制度基盤から発生し、当時の経済状況や時代思潮、更には「所有よりは帰属、財産よりは貢献と関与」という権力の正当化のための社会通念を受けて定着したもので、日本社会の本質に根ざす仕組みである。しかしながら、表面上は会社法の株主主権の建前を受けいれた制度づくりが加速する。日本の従業員主権の特徴は、資本市場の(会社法的な)無色透明なカネの論理の上に、人格的な人の関係を捉えた仕組みでを作り上げたことにある。問題は、この現実と法の建前の使い分けに無理が生じており、乖離の問題や拡大から問題が生じている。株主を論じた会社法だけを云々するではなく、システム全体から仕組みを論じなければ意味は無い。 バブル期には経営の暴走を招き、80年代以降パフォーマンスの低下という問題があり、更に金融資産のより高い利回りの要求から国際的な摩擦も発生(、今後強まる)する、改革が必要であることは間違いない。日本型コーポレートガバナンスの最大の問題点は、(コア)従業員が経営に関してチェックを可能にするための制度が存在しないことである。よって目指すべき方向は、実体としてのコア従業員主権に適合的なように、①従業員の経営に対する監視を制度付け、②利益配分を要求する株主に従業員主権を侵害しない程度の正当な権利(例えば、議決権なしの優先株などのバリエーション)を提示し、③企業支配的行動を抑え込むことである。…これを受け本書では、『伊丹試案』が展開されていく。 【感想】 何であれ制度づくりは日本文化やその行動様式にならい、改革は歴史にその起源を教わらねば必ず失敗するという信じる自分だから、本書の主張には多いに賛同出来た。本書は、実体としての行動様式や慣行に(企業経営で長期的に)合理性がることを示し、その方向に(法)制度をもって行こうとする点で正しいアプローチだと感じる。会社の仕組みを社会システムや企業文化などを検討し、日本会社の特徴、問題点が包括的に論じられた良書だと感じる。
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コーポレートガバナンスの新しい視点。 但し、本書を読む前にはコーポレートガバナンスの基本的な考え方である「プリンシパル=エージェント理論」をしっかり理解しておくことが必要。また、できれば契約理論の基礎もあった方が良いかもしれない。
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ざっと読んだだけだが、丁寧に述べられていて好印象。 岩井克人の『会社はだれのものか』をより精緻にしたものといったところか。
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