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江戸川乱歩賞と日本のミステリー
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江戸川乱歩賞と日本のミステリー

関口苑生(著者)

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江戸川乱歩賞と日本のミステリー

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 マガジンハウス
発売年月日 2000/05/18
JAN 9784838712045

江戸川乱歩賞と日本のミステリー

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商品レビュー

4.5

2件のお客様レビュー

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2012/11/20

タイトルどおり、江戸川乱歩賞受賞作と日本のミステリーの歴史を評した傑作。 乱歩賞創設に至る時代背景と、第一回受賞作品である仁木悦子「猫は知っていた」(1957年)から新野剛志「八月のマルクス」(1999年)までの四十年以上に及ぶ受賞全作品と作家に対して、当時の選評や著者の思いが...

タイトルどおり、江戸川乱歩賞受賞作と日本のミステリーの歴史を評した傑作。 乱歩賞創設に至る時代背景と、第一回受賞作品である仁木悦子「猫は知っていた」(1957年)から新野剛志「八月のマルクス」(1999年)までの四十年以上に及ぶ受賞全作品と作家に対して、当時の選評や著者の思いが綴られている。 受賞時のインタビューであるとか、受賞作の詳細な選考理由(予選評価の内容や、本選では誰が推奨し、誰が批判したか)であるとか、受賞作家や選考者のその後の雑誌などでの発言であるとかが、かなり具体的に引用され、興味深い。 この(といっても10年以上前までの)乱歩賞創設以来の歴史、受賞作、受賞理由、受賞作家のその後などがこと細かに書かれているので、推理小説史、ミステリー史として、ミステリーファン必読の書と言っても過言でないように思える。 本格推理と社会派推理の境界線をどう捉えるか、歴代受賞作の受賞時の評価や、その受賞に至った社会的、歴史的背景、あるいは出版界やミステリー界の裏事情など、今読んでも、いやミステリー全盛の今だからこそ非常に面白い。 「その時代の日本の社会的歴史的事象なども受賞作に影響を与えたのではないか」という著者の推測は、やや穿ちすぎな感もあるが、時代性を裏打ちする引用発言として、作家や文芸評論家どころか時の首相や米仏の大統領発言までにも言及するに至っては、“乱歩賞受賞作はその時代を映す鏡である”という著者の見方もあながち的外れとはいえず、この本自体を一つの推理小説として寄り添って読むこともできる。 さらには、さほど優れた内容でもないのに当時の出版事情などから受賞に至った作品とか、同年度に優秀作品が集中しすぎたために受賞を逸した傑作であるとか、作品に対してさまざまな方向から分析がなされており、興味がそそられ、実際にそれらの本を読んでみたくなること間違いなしだ。 具体例を挙げれば、昭和五十七年「焦げ茶色のパステル」で受賞した岡嶋二人は、当時の“乱歩賞受賞作の傾向と対策”を研究してその結果見事に受賞したとか、その岡嶋の前年の応募作「あした天気にしておくれ」は、作品の完成度は高かったにもかかわらず、「そのトリック(馬券のオッズを操作するというトリックであるらしい)が実際に可能なのか?」という疑惑に委員の誰も答えられず、推理作家協会が日本中央競馬会に問い合わせたところ、「そのトリックは実行不可能である」と競馬会側が、“誤って”答えたため、受賞見送りになった悲劇であるとか、その選評を読んだ、今をときめく売れっ子東野圭吾氏が、「こんなすごい作品を書く人がまだいるのなら、この人が受賞するまで応募は見合わせようと思った」などという逸話や裏話的なエピソードも豊富に盛り込まれ、話題に事欠かない。 乱歩賞受賞作は昭和四十年代頃のものからかなり読んでいる私でも、著者が歴代受賞作のなかでも傑作と絶賛する1983年の高橋克彦「写楽殺人事件」や、逆に“よくぞこの作品が乱歩賞を取ったものだ”と辛辣な評価を下す1989年の長坂秀佳「浅草エノケン一座の嵐」、1993年の桐野夏生「顔に降りかかる雨」、1996年の渡辺容子「左手に告げるなかれ」などを始め、この書評を読んで、未読の受賞作品をすべて読み倒したいと思うほどになった。 巻末には、文中で紹介・引用された小説や批評の索引、さらには名前の出た作家や批評家のみならず政治家や経済学者、はたまた歌手やスポーツ選手まで、登場したすべての人物の索引が掲載され、歴史書としても重宝できる、貴重な本である。 図書館で見かけ、ひょいと手に取り読み始めた本だったが、ミステリー好きの読者なら、是非手元に置いておきたい一冊だ。 (定価が2500円で、10年以上前の書物にもかかわらず、アマゾンの古本でも1500円程度と高いのが難点ではあるが──)

Posted by ブクログ

2006/11/26

歴代の江戸川乱歩賞受賞作品について語った本。ためになった。なかなか辛口のコメントがあったりしておもしろかった。

Posted by ブクログ

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