How to 生活保護 介護保険対応版 暮らしに困ったときの生活保護のすすめ

東京ソーシャルワーク(編者)

• 販売会社／発売会社: 現代書館/
• 発売年月日: 2004/05/10
• JAN: 9784768434222

商品レビュー

2010/12/23

ファイナンシャルプランナーとして自己啓発のために経済知識関連本を50冊読むと決めたとき、その中に生活困窮者への経済という概念はなかったのですが、
友人との書籍交換でこの本を渡されたとき、「生活保護」も経済知識のひとつとして知っておかなければならないことに気が付きました。

例えばお金の相談を受けるとき、相談者の身内に生活困窮者がいた場合、
あるいは、相談者自身が失業中の事例など、万が一に備えて生活保護の知識も知っておいたほうがよい場合も考えられます。
そうした場合、福祉事務所に相談するのが一番確実な情報が得られるのでしょうが、ある程度の事例には答えられなければならないと思います。

お金の相談で関係してくる事例としては、
「雇用保険も切れてなお失業中だが生活保護は受けられるのか」
「同居の親族とは別に、自分だけ生活保護を受けることができるのか」
「わずかでも預金があると生活保護は申請できないのか」
「生命保険は必ず解約しなければ生活保護は申請できないのか」
「持ち家に住んでいるが生活保護は申請できないのか」
などがあげられると思います。

もちろん、ケースバイケースなので、確実な回答はできないとは思いますが、、
収入とみなされる要件はどのようなものがあるのかを説明できるだけでも
相談者はかなり安心できると思います。
この本の巻末は、事例集となっていて、そうした事例に対する基準となる考え方や、
どのように話し合いをしていくべきなのかについて、わかりやすく説明されています。
事例を読むだけでもたいへん参考になります。

また、介護保険が徴収される場合の扶助や、
医療費や介護費で自己負担が発生する場合の収入認定の考え方や扶助などは
お金の相談を受ける立場としては、年金と同様に、概算が計算できるようになっておいたほうがよいと感じました。

「お金の相談」とは、収入を増やすことや、収入の使い道を考えることだけでなく、
生活困窮者に手をさしのべることでもあるはずです。
そのことを気づかせてくれた、この本を贈ってくれた友人に感謝です。