御手洗パロディ・サイト事件(上)

島田荘司(著者)

• 販売会社／発売会社: 南雲堂/
• 発売年月日: 2000/04/25
• JAN: 9784523263562

商品レビュー

2013/05/19

御手洗シリーズに飢えて、ついにこれを手にとる。
里美ちゃんと石岡さんが、事件の解決の為に、友人のPCに残された数多のパロディ小説を読む…という設定。

実際に御手洗さんのパロディ小説を募集して掲載しているらしい。この中のひとつは島田さんが書いたもので、それが事件解決に繋がる鍵となるという趣向。

パロディとはいえなかなかの力作もある。
島田さんの作品かどうか推理しつつ読むというのも面白い。もちろん「この記述は御手洗さんの設定と矛盾してるし」とか「島田荘司はこの言い回しはしないよ」とか思うのもあるんだけど、「いや、ばれないように敢えて文体を変えてる可能性も…？」なんて深読みし始めると、実は全部島田さんが書いてるんじゃないかと疑ったり。
どうなんでしょうね、そのへん。

2012/02/08

里美の大学の友人が行方不明になり、彼女が趣味で読んでいた御手洗のパロディ小説から石岡君と里美が彼女の行方の手がかりを探す…という設定の、御手洗のパロディ小説を集めたアンソロジーのようなものでした。
上巻には13編の短編が収録されています。書いているのはもちろん島田先生ではありません。島田先生が書かれているのは最初と最後の部分だけ。
うーん、これを島田荘司名義で出してしまうのか、という感想。御手洗ものの新作かと思って読んだら相当がっかりするだろうと思います。
中には面白いものもあったけど、全体的に微妙…。自分たちの登場する同人誌を読んで巻末で二人が感想を述べてるのもいたたまれない気持ちになります。こういうのはあくまで非公式でこっそり楽しむものというイメージがあったので度肝を抜かれたというか、あまり公式ではやってほしくない。
ただ、どの話を読んでも作者の方が御手洗のファンで、一生懸命書いてるのが感じられて（外国の9歳の子の作品も！）そこはいいなぁと思いました。
下巻に続く。

2010/11/12

犬坊里美の友人が行方不明になった。
彼女が好き好んで読んでいた“御手洗パロディ小説”の中に失踪のヒントがあると考えた里美と石岡は、推理をするべくパロディ小説を読み始めた…。

島田荘司が公募して選んだらしいパロディ小説＋作者本人が書き下ろした繋ぎ部分からなる長編(？)ミステリ。
立派な短編ミステリとして楽しめるものから、むしろ全くミステリじゃないものまで。
軽いタッチのパズルものから、大胆トリックものまで。
ギャグタッチのものから、シリアスものまで。
いかにも素人くさい文章のものから、読ませるのが上手いもの、さらには何故か全文英語のものまで。
まさに何でもアリ。

漫画アンソロでもそうだったけど、そこはかとなくホモ臭いものもあるので注意。
逆に腐女子なら、第二章６番目の短編は読むべき。
これ、全く謎解きしてないのに選ばれてるということは……あとは解るな？