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ガリラロンフェデル・アミット(著者), 母袋夏生(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 さ・え・ら書房/
発売年月日 2000/04/01
JAN 9784378007601

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商品レビュー

3

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2024/02/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

母袋さんの訳ということはヘブライ語、「ベルト」ってドイツやオランダの男性名であるから、表紙の少年の父とか祖父の名前かなと思ったら、腰に巻くベルトのことだった。しかし、なぜベルトかと言うと、主人公の少年を父がベルトでぶつから。虐待。 英語タイトルは Not with a belt,pleaseでストレートすぎ。 13歳主人公エレズは、学校でも人気者だし、テニスも上手い。ナイキのシューズもマウンテンバイクも持っている裕福な家の子どもだ。裕福なだけでなく父は官僚、母はインテリアデザイナー、姉はピアニスト志望のおしゃれでインテリの家庭だ。友だちみんなが羨ましがるような。 しかし、家族だけの秘密がある。父は息子をベルトで打ち、母と姉は気づかないふりをしている、実際には地獄のような家庭なのだ。 主人公は思春期なので、友だちに惨めな自分を見せたくないと学校では明るく振る舞う。それに、父は酒を飲んで理性を失くし家族に暴力をふるうようなわかりやすい男ではなく、有能な官僚で他人には紳士的、「あの人がそんなことするはずない」と思われるような人だ。それに、エレズ自身が物質的には恵まれた生活をしており、父の暴力がバレて養護施設に入れられれば、その生活を失ってしまうとおそれているので、誰にも相談できない。 それに、新任の若い教師が気づいて…という物語で、少年の葛藤がリアルで半ば過ぎまでは引き込まれて読んだのだが。 結末の展開が安易で、それはないでしょと。そんなに簡単に解決するなら、そもそもここまでこじれないでしょう、と。 だいたい、母親も仕事持ってるんだから、子どもに暴力ふるうような夫なんか捨てて出ていけばいいのに、なんでびくびく顔色窺ってるんだか。(父親は妻と娘には暴力をふるわない。) イスラエルが舞台だが、ハヌカやバルミツバなどはちょこっと出てくるものの、特にイスラエルやユダヤ人に関係する話ではない。 95年の作品(日本で出版されたのは2000年)で、その時代の雰囲気はちょっとある。 虐待は現在もあるが、現在ならこの結末にはならないと思われる。 母袋さんは信頼できる訳者だが、この作品自体はまあ、消えていっても仕方ない作品でしょう。

Posted by ブクログ

2009/07/14

エレズ・シロニーは13歳。傍目にはなんの問題もなく、人もうらやむ家庭だが、その影でエレズは父親にベルトで折檻される。母も姉も見て見ぬふりをするし、一歩外に出れば嘘で固めたごまかしばかり。エレズも強がって友達にはワルぶった言動をするが、内心は父親にびくびくしながら生活している。 ...

エレズ・シロニーは13歳。傍目にはなんの問題もなく、人もうらやむ家庭だが、その影でエレズは父親にベルトで折檻される。母も姉も見て見ぬふりをするし、一歩外に出れば嘘で固めたごまかしばかり。エレズも強がって友達にはワルぶった言動をするが、内心は父親にびくびくしながら生活している。 産休代理にルティという先生が新任になると、自分の心を見透かされたようによく相談室へ呼び出され、いろいろな話を聞かれた。行き場を失っていたエレズはたまらなくなり、ついにルティに背中の傷を見せてしまう。それからは外に向かって助けを求めるようになるが、誰も自分の言うことを信じてはくれない。だが、思いがけないところから救いの手が差し伸べられる。 図書館に行ったらたまたま新刊コーナーにあったので軽い気持ちで借りてきた本なのですが、衝撃的な作品でした。読みながら私までストレスを感じてしまって、胃が痛くなったりもしました。読んでいて苦しくなります。 あまりの不安につい先走って考えてしまい、いらぬ疑惑でいっぱいになるエレズは、想像ばかりがふくらんでしまい、そうに違いないと思い込んでしまう。誰も救ってくれる人はいないし、家庭にも逃げ場がない、こんなつらく悲しいことはありません。そんな中でも、「きっとお父さんは悪い人じゃない」とどこかで信じたい気持ちがあって、揺れ動きながらも希望を見出そうとするエレズの姿に、非常に心打たれます。 この作者はイスラエルの人です。だから作品中に聖書を勉強する話や、胸に手を置いて誓う場面もあったりするので、そのたびにイスラエルのお話なんだと思い出します。『もちろん返事をまってます』の内容をも考え合わせると(わたしはまだ読んでいないのですけど)、この作者はシビアな現実と向き合わざるを得ない子どもたちの姿を描き出そうとしているようですね。登場人物ががそれをどう乗り越えていくかを描き出すことによって、決してあきらめてはいけないんだということを伝えようとしているような気がします。 ただ、だいぶ終わりの方に近づくまではとても詳細にエピソードがちりばめられているのに対し、最後は一気にたたみかけるように結末を迎えます。あとこれしかページがないのに、ちゃんと終わってくれるんだろうか、と不安になったりもしました。最後にとても大事な場面がいくつもあるので、もうちょっと丁寧に終わって欲しかったなぁ、と思いました。あくまでもエレズが主人公だということなのでしょうが……。あわわ、これ以上言うとネタバレになりそうなのでこの辺にしておきます。でも読んでよかったです。これは、教育の意味を考えさせてくれる、オススメ本です。(2002.12.6)

Posted by ブクログ

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