脳にマラカスの雨が降る 脳梗塞からの生還 カッパ・ブックス

栗本慎一郎(著者), 平山幹生

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2000/06/30
• JAN: 9784334006815

商品レビュー

2010/05/28

栗本真一郎の脳梗塞体…

[文庫ＯＦＦ]

栗本真一郎の脳梗塞体験記。かなり笑えるが凄まじい。

2014/02/13

脳梗塞から生還した著者の闘病記。自分の体に起こっている事態を客観的にモニタリングし、独自のリハビリを考え出して再起へ向かって努力する著者の姿が印象的です。ただ、この人の本はしばしば「トンデモ」が入っているので、実際のところ本書の理論が医学的にどれほど有効なものか疑問もあります。

Ｍ・ポラニーの暗黙知論やメルロ＝ポンティの知覚論に通じている著者は、脳の機能局在説に固執する保守的な医者の意見を退け、人間の脳は可塑的だという考えに基づいて、独自のリハビリをおこないました。その方法の一つは、ベッドからずり落ちた格好で少しずつ姿勢を変えてゆき、自分の身体を支えている筋肉に意識を向けるというもの。もう一つの方法は、「鏡箱」と呼ばれる器具を用いるものです。これは、自由に動く方の手を鏡で映すことで、あたかも麻痺している方の手のように見せかけ、両方の手を同じように動かすように努力するというものになっています。

病の中にあってユーモアを忘れない著者の姿勢も、あるいは回復に寄与したのかもしれません。