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海の帝国 アジアをどう考えるか 中公新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
| 発売年月日 | 2000/09/25 |
| JAN | 9784121015518 |
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海の帝国
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商品レビュー
3.9
23件のお客様レビュー
浅学の身としては学びが多い一冊であった。近代国家が存立の大前提とする「国境線」であるが、それが存在しない以前の東南アジアの諸地域の在りようを知ることは重要だと感じた(タイのムアンのような)。 「国境線」「近代国家というシステム」が成立する以前の東南アジアでは、民族という区分や自己...
浅学の身としては学びが多い一冊であった。近代国家が存立の大前提とする「国境線」であるが、それが存在しない以前の東南アジアの諸地域の在りようを知ることは重要だと感じた(タイのムアンのような)。 「国境線」「近代国家というシステム」が成立する以前の東南アジアでは、民族という区分や自己認識は無かったという指摘は、非常に学ぶところが多い。地の国境線ではなく海の支配権をめぐる歴史から俯瞰した方が、東南アジア理解を助ける、という本書の論考は頷ける。 残念なのは本書が四半世紀前の本だという事。いま現在の東南アジアを、この水準で書いた新書があればぜひ求めて読みたい。
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東南アジアの国家の成り立ちから20世紀末のアジア通貨危機を経た現在(執筆時)までの流れを考察した本。とても面白かった。もとは中央公論連載ということで、読みやすかった。しかし、著者自身の研究と他の研究もベースにして、時代の流れに沿って整然とまとめられている。 自分にとってこの本の魅力は、ぼんやり知っていた歴史の流れに、納得のいく原因の説明と、(西洋本位の歴史観により隠されていた)意味が明らかにされたことにある。なんとなくモヤモヤしていたところが明確になったと目が覚める気がした。 各時代ごとにインドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシアなどの違いと原因をきちんと説明している点がさらに良い点であった。東南アジア十把一絡げみたいな説明ではない。 従来は著者の言う通り、東南アジアの専門家など存在せず、一国の専門家が東南アジア専門家と名乗っているだけだったので、一国ずつの歴史しか読めなかった。本書のように概観することは学術書では難しく、入門書ではツッコミが足りないことが多いので、この本に出会って本当に良かった。 本書の出版より四半世紀たっているので、東南アジアの事情も研究の状況も大きく変わっているだろう。 新しい良書に出会いたい。 以下、我流解釈によるメモ。(本書に書かれたままではない) ・イギリス流民族分断によるコントロール手法:さまざまな人が中国、インド、アラブ、ボルネオ、セレベスその他から来ている。オランダ語を話せない混血オランダ子女も。まったく〇〇人という自覚のない人々は、上からの国家形成によって〇〇人の枠に分けられた。例えばシンガポールで民族ごとに住む区画を決められ、移動させられた。これにより民族ごとの統計を取ることが可能になり、格差が目に見えるようになった。もともとなかったマレー人というカテゴリが規定され、これがマレー人優遇政策の始まりとなっていく。 ・中国人は苦力も多いが長く土着して繁栄する者、ヤクザのようなネットワークを持ち本国と太く繋がっている者もいる。英国がこの地で儲かるシステムは主に中国人のアヘン取引に依っていた。中国系の人々がいなければ成り立たなかったようである。マレー人はアヘンを売られることで搾取されていた。 ・英国とオランダによる東南アジア支配は日本の占領により解体された。 ・各国が独立したあとの政治は「開発独裁」であった。実際に覇権を握っていたのは米国である。日本は二番手として援助資金を注入し、開発独裁を支えた。国民の国民としての意識は低く、民主主義は正常に機能しない。統治する側の身内びいきや腐敗により国民の期待を集めることもない。 ・米国は留学生を招きテクノクラートに育てて政府に入れた。留学は自分たちと思考方法・価値観を同じくする人間を作るのに大変有効である。 ・アメリカ主義。アメリカナイズは文化だけでなく政治も握る。
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開かれた交易ネットワークとしてアジアを俯瞰する本。単なる交易論ではなく、欧米列強の果たした役割、アジア各国の成り立ちと民族性など多角的に描かれており、第一回読売吉野作造賞受賞というのも頷けるのです。
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