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村上龍自選小説集(7) ドキュメントとしての小説
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村上龍自選小説集(7) ドキュメントとしての小説

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村上龍自選小説集(7) ドキュメントとしての小説

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商品詳細

内容紹介 内容:オ-ディション. ラブ&ポップ. インザ・ミソス-プ. ライン. 寂しい国の殺人. ドキュメントとしての小説. 解説 陣野俊史著
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2000/05/31
JAN 9784087744385

村上龍自選小説集(7)

¥1,980

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2014/09/09

何らかの事象に対し、世間の対応が異様な場合、私はドキュメントとしての小説を書くモチベーションを得る。社会病理に真剣に向き合い作られた小説集。『オーディション』『ラブアンドポップ』『インザミソスープ』『ライン』『寂しい国の殺人』を収録。 『オーディション』で扱われているのはストーカ...

何らかの事象に対し、世間の対応が異様な場合、私はドキュメントとしての小説を書くモチベーションを得る。社会病理に真剣に向き合い作られた小説集。『オーディション』『ラブアンドポップ』『インザミソスープ』『ライン』『寂しい国の殺人』を収録。 『オーディション』で扱われているのはストーカー行為とトラウマだ。一見サイコホラー風の体裁をとっているが、人生に役に立つであろう滋養を含んだ言葉が多い。ヒロインであり悪役の女は子供の頃に受けたトラウマにより「愛情を独占しないといけない」という強迫観念にとらわれている。主人公の妻に先立たれ、息子と暮らしている青山と愛人として付き合うが、彼女が求めていたのは完璧な愛だった。青山は息子のことも愛している。それが暗い影を落とし、彼女を狂わせた。題材がとても良かっただけに展開が安易なサイコホラー風だったことが残念。これではこの小説が持つ滋養に気づけない人が多くなってしまうだろう。 『ラブアンドポップ』で扱われているのは援助交際。ひとりの女の子がなぜ援助交際に走るのか、どうして援助交際はいけないのか、という難しい問いに一つの答えを示している。実際に読んで確かめて欲しい。この小説は新しい試みがなされている。街の喧騒、ファーストフード店でのやり取り、ラジオ、伝言ダイヤルのメッセージなどを徹底的に描写することにより「いくらものに溢れていても決して心は満たされない」ということを表現している。そして龍さんの小説には珍しくハッピーエンドできれいに終わるところも魅力。 『インザミソスープ』で扱われているのは暴力と日本批判。アメリカ人のフランクが風俗店で殺戮を繰り広げるのが話題になった。過激すぎる描写に目が行きがちだが、この小説の本質は「アメリカから見た日本」だ。外国人視点で日本を見てみると不可思議なことがいっぱいある。なんで単身赴任という制度があるのか、なんで過労死するまで働くのか、など・・・。ラスト付近のフランクの独白が圧巻。 『ライン』で扱われているのはトラウマ。18人の登場人物が出てくるが、全員幼児期に何らかのトラウマを抱えている。視点が次々と入れ替わり、不完全なコミュニケーションが描かれ、それらは日本の光と闇に溶けてゆく。盛り上がりは少ないが、淡々と描かれる人々が魅力的であり、病んでいる。この小説を最初に読むことはおすすめしない。パンチは少ないが魅力的な小説だ。 『寂しい国の殺人』はこれらすべての社会問題を総括した、長いあとがきのようなもの。これは説明はいらないだろう。実際に読んでみてください。 はっきり言って俺はこの小説集はあまり読む気がしなかった。気分が暗くなりそうだったからだ。表紙の写真も暗く、何かを暗示しているようだったという理由もある。しかし読んでよかったと思った。この小説集から目を背けてはいけない。そう感じた。

Posted by ブクログ

2010/05/06

恐ろしい、というコトバに尽きる。 『悲鳴をあげる身体』から読むに至りました。 もう読みたくない(笑) ・オーディション 再婚相手をオーディションで探すことに。 しかしこれが最悪の事態になる事を僕はこの時知らなかった。 ・ラブ&ポップ 指輪に惚れて絶対欲しいと思うが、お金がない...

恐ろしい、というコトバに尽きる。 『悲鳴をあげる身体』から読むに至りました。 もう読みたくない(笑) ・オーディション 再婚相手をオーディションで探すことに。 しかしこれが最悪の事態になる事を僕はこの時知らなかった。 ・ラブ&ポップ 指輪に惚れて絶対欲しいと思うが、お金がない女子高生。 援交をする決意をし、ぬいぐるみが友達のイケメンとホテル行くが――。 ・インザミソスープ ニュースで毎日のように流れる殺害事件。 外人向けの日本案内をする俺は、今回フランクという外人の担当になった。 なんだかおかしいこの外人は、本当は事件の真犯人だった…! 危ないとわかっていても逆らえない。 その他ラインなど。

Posted by ブクログ

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