中国革命の夢が潰えたとき 毛沢東に裏切られた人々 中公新書

諸星清佳(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社/
• 発売年月日: 2000/01/25
• JAN: 9784121015143

商品レビュー

2023/08/15

２２２（『世界史読書案内』津野田興一著　の紹介より）：
「中国の近現代史について知りたい人に。1940年代の中国はちょうどに日本との戦争が続いていて、中国という国家存亡の危機でもあり、そしてまた、そのような混乱期にあるからこそ、実に様々な思想や可能性が存在した。１９４５年８月１５日は日本にとっては敗戦、中国にとっては勝利の日であり、その時から新しい中国をどのような手段で、どのような理念のもとに再建してゆくかが国民的課題となった。戦後国内では国民党と共産党の政治的・軍事的抗争が表面化し、知識人たちが中国の民主と自由の実現のために、中国民主同盟という組織を結成した。しかし・・・。なぜ当時の中国では民主化運動が失敗に終わったのか。その国内的要因と国際的要因は何か、など、中国近現代史のさまざまなテーマについて考えることが出来る。」

１９４９年１０月１日、秋晴れの天安門広場には新国旗が打ち振られ、民衆の歓声と拍手で沸き立った。中華人民共和国、中央人民政府が誕生したのである。この新しい国家は自由主義諸国並みのブルジョワ憲法を掲げた、共産党と民主諸勢力の連合政権であった。しかし、多元的政治権力並存の期待は次々と裏切られていく。中国社会主義は出発時点ですでに社会主義そのものを変質させる体質を内包し、文化大革命の悲劇へ突き進んだのである。

目次
序章　共産党の指導の下で
悲惨な勝利
革命党はどちらか―国民党ＶＳ共産党
中国の紅い夢―民主勢力の建国構想
内戦
毛沢東の「陰謀」
二つの物語―『風呂』と『赤い暴風』
終章　紅い夢から醒めて

2011/08/20

第二次世界大戦の後に内戦を経て共産化した中国を民主党派にスポットを当てつつ描く。時系列がよくとぶため、基本的な流れを知らないとついていきづらい。