よくわかる連結経営 入門マネジメント&ストラテジー

監査法人トーマツトータルサービス部(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本実業出版社/
• 発売年月日: 2000/01/15
• JAN: 9784534030276

商品レビュー

2013/08/28

会社の研修の事前課題図書。

既に知っていることがほとんどだったので
パソコンの起動時間などを利用してスピード読破。

初学者向けの入門書なんだと思うが、全体的にイマイチな印象である。

まったくのダメ本という訳ではない。
各章で書いてある事も、そんなにおかしくない。
でも、トータルとしてイマイチな印象。

何が良くないのかを考えながら読み進めてみた。

(1) 全体的に話が古い。
1999年に書かれた本だから仕方が無いが、会計の世界は次なるビッグウエーブであるIFRSに目を向けている。
今日では当たり前の税効果会計とか時価評価とかを
会計ビッグバンと言って騒いでいるところに違和感を感じる。

(2) 「よくわかる連結経営」という題目なのに、連結経営とは関係ない話も多い。
個別財務諸表のB/SやP/Lの超基本的な解説は
他の本に譲ったほうが良いのではないか。

(3) かといって、説明が細かすぎる章もあってバランスが悪い。
分社化の具体的な手順や法関係などは
実務に関係ない人には不要な知識だと思う。
また、連結財務諸表の作成手順も
概念だけ知るには細かいし
詳しく勉強するには足りないし、どっちつかず。

「誰に何を伝えたいのか」という事についてどうもピントがボヤけているんだよな・・・とモヤモヤしながら
最後のページまで読み切ったら合点がいった。

著者が7人もいる。
おそらく各人が各章を担当したに違いない。

まさか、連結経営の悪い例を身を持って教えてくれた訳ではあるまいが
7人で本を1冊書くだけでも、一貫性を持ったものに仕上げるのは難しいのだ。
連結経営で、複数の事業や会社を運営する事がいかに難しいかを
この本は物語っている。

一貫性を持って何かを作りあげる一番簡単な方法は
「頭」を一つにすることである。

しかし、物事が大規模化・複雑化すると
一人の頭で全てを把握する事が不可能になってしまう。

本当にインテグレーションは難しい。