マンボウ哀愁のヨーロッパ再訪記

北杜夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 青春出版社/
• 発売年月日: 2000/10/10
• JAN: 9784413032223

商品レビュー

2024/04/15

北杜夫のエッセイ。

ジェロニモ大寺院で見たマリア様が
とても可憐で美しかったそうで
『航海記』からの引用によれば
「それはいくらかでも聖霊とかによって懐妊するのも当然と思われる。」
と書いている。

よほど美しいマリア様だったのだろうなと
邪推な気持ちは全く持たずに読んでいたのだが
さすがは船医だっただけのことはある、
「かくのごとく書かれているが、本当のマリアが
こんなに可憐だったかどうかは知らないが、処女
懐胎なんて科学的に言って不可能なことである。
もちろんマリア様はどこかの男と寝て赤ちゃん、
つまりキリストを産まれたもうたことは間違いない。」
と書いている。

そこまで言っちゃうんだ、とクスっと笑って
しまい、ユーモアを大事にした人らしい
と言えばそうらしい。

どくとるマンボウ航海記から３０年ぶりに訪れた
ポルトガルの話やタヒチの話がメインだが、
まだ海外旅行が誰にでもできなかった時代の
人が語る旅行の話、そしてその後の変化は
興味深かった。

2022/07/21

　近所の図書館では古くなった図書をリサイクル図書と称して無料で配っている。
　確か読んだはず、と思いつつ引き取る。140頁「ペルーが日本にやってきたのは」のペルーのルに鉛筆で斜線を引いて傍らにリと書いてあるのは自分の筆跡だ。
　１章「マンボウ・ポルトガル再訪記」は名著「どくとるマンボウ航海記」の補遺になっている。ポルトガルで買春した事実なども赤裸々に語られていて、ファンにとっては痛し痒し。

2021/12/24

そもそも、ベルーが日本にやってきたのは、捕鯨基地を設けるためであった。欧米人はクジラを取っても、油だけとって後は捨ててしまう。日本人は、クジラの全てを使う
チャップリンは自分が昔貧乏人であったことを少しも誇りとは思わない。貧乏だった頃、私は王侯貴族に憧れていた。しかし、実際に金持ちになって彼らと交際してみると、昔考えていたほど彼らが立派な人間ではないことがわかった。金を持つと言う事は、物事を公平な目で見られることにつながると語った