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夜のヴィーナス
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商品詳細
内容紹介 | 内容:夜のヴィ-ナス. 虚空. 毒穴. 蟹湯. 馬光ホテル. 茸類. 土筆女. 網の上の男. ウェヌスの増大 |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2000/08/25 |
JAN | 9784104041022 |
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夜のヴィーナス
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9篇を収めた短編集。 表題作はボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」に似せて作られた人体解剖用模型(作中「解体のウェヌス」、ネット上で「解体されたヴィーナス」とも)を巡る物語。フィレンツェに旅した男がこの模型を見てからちょっとした怪異に付きまとわれた奇憚を聞き、語り手の女性が夢想する...
9篇を収めた短編集。 表題作はボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」に似せて作られた人体解剖用模型(作中「解体のウェヌス」、ネット上で「解体されたヴィーナス」とも)を巡る物語。フィレンツェに旅した男がこの模型を見てからちょっとした怪異に付きまとわれた奇憚を聞き、語り手の女性が夢想する「解体のウェヌス」像の腸をこぼれさせながら動く姿は、グロテスクにして艶かしい。 「虚空」や茸類」は日常に不意に訪れ、刹那に心を奪い去る“魔”というものを感じる。「毒穴」「蟹湯」のラストもは印象的。「馬光ホテル」は何処か淫靡さが漂う。 「ウェヌスの増大」は「夜のヴィーナス」の別バージョンの話。「夜の―」が巻頭「ウェヌスの―」が巻末に配置されている点や「ウェヌスの―」が「夜の―」と同じ題材を扱いながら逆ベクトルの作品となっている点も印象的だが、何と言っても「解体のウェヌス」が保管されている部屋に行くまでの描写が圧巻。通り抜けて行く部屋部屋には多数の鳥獣、爬虫類、魚類の剥製標本、人体の各部位の精巧な模型が陳列されていて、あたかもそれは高山宏さんが語る啓蒙という近代的知性の裏面―多くの種を(殺害して)収集し分類し、或いは人体内部という不可視の領域を切り開いて光を当ててきた、その暴虐性のカタログのような空間、膨大な死の集積の果てに、ガラスケースの中に閉じ込められた「女性」を象った解剖模型が置かれている(しかもその模型は実際の死体から蝋で型を採っているという)出来すぎたブラックジョークのような光景が展開する。そして辿り着いた防腐剤の匂いが漂う部屋の中、展示されている「解体のウェヌス」は写真を見て想像を膨らませていた生気溢れるような像ではなく、ガラスの眼差しを湛えた冷たい蝋製の(まさに「死んだ」)標本として映るばかり、というのが実に象徴的。
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村田喜代子先生の短編、大好きです!! 解体のウェヌス、村田先生も見られたのでしょうかね?9篇中2作品に登場してました。 内臓をどっちゃり花束のように広げても、なお美しいというそのヴィーナス、是非とも私も見たくなりました。 あと、内臓ネタの後でアレですが、キノコ食べたい!
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村田先生の小説はすべて好きなのですが、この短編集が一番好きかな。 あーでも一番て選べないような気もする。
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