大いなる聴衆 新潮ミステリー倶楽部特別書下ろし 新潮ミステリー倶楽部

永井するみ(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/
• 発売年月日: 2000/08/30
• JAN: 9784106027659

商品レビュー

2011/11/02

とある理由によってスランプに悩むピアニストが主人公。婚約者を誘拐した犯人からの指示により音楽祭で演奏する曲を変更させられるが、犯人は何故こんな犯行に及んだのか．．．といったミステリーですが、ピアノの描写がすごく専門的で音楽に縁のない自分には少ししんどかった。
永井氏の以前の作品には農作物がテーマとなったものが多く、やっぱり非常に専門的なのですが、こちらは学生時代に学んだ経験があるので逆にすごく面白かったです。

2011/08/31

　永井するみ「大いなる聴衆」（新潮社 2000 ―＞創元推理文庫 2005）は、ベートーベンの長大で難解な作品「ハンマークラヴィーア・ソナタ」をめぐる長編音楽ミステリー。昨年９月、５０歳を前に逝去したこの女流作家の抱いていた抱負や妄想に触れられる。惜しい人を亡くした。

2009/11/21

世に音楽を扱った小説・漫画・映画は多々あるけれど、私が１番面白いと思うのがこの「大いなる聴衆」。

リサイタルを控えたピアニストの婚約者が誘拐された。届いた脅迫状には、婚約者を返して欲しければ、ベートーヴェンの難曲「ハンマークラヴィーア」を完璧に弾け。と書かれていた。完璧に弾かなければ婚約者の命はないという。

著者自身が芸大入学後挫折を体験した…とのことで、音楽を志すものが抱える感情をリアルに書ききっていると思う。読んでる途中で、わが身を振り返ってしまうほどに。

また、ミステリーとしても非常によくできていて最後までいっきに読み終えてしまった。