ブルー・リング 集英社文庫

A.J.クィネル(著者), 大熊栄(訳者)

• 販売会社／発売会社: 集英社/
• 発売年月日: 2000/10/19
• JAN: 9784087603897

商品レビュー

2019/03/29

南地中海の各地で頻発する若い女性の失踪事件。
その陰には、ブロンドの美少女を生贄に捧げるという秘密結社の暗躍があった。結社名は≪ブルー・リング≫。
一方、元傭兵クリーシィの養子マイケルは、生き別れになっていた母親と≪ブルー・リング≫の関わりを知り、謎の組織の解明に乗り出すのだが…
「パーフェクト・キル」に続き、覆面作家が放つクリーシィ・シリーズ第三弾！

主人公のクリーシィや息子（養子）のマイケル、そしてクリーシィの仲間たち。
みんな魅力あふれる人物ばかりで、そして何よりも仲間を大切にする人たち。
敵に回したら恐ろしい方々ばかりですが、心に秘めたものは誰よりも優しく、仲間思いの登場人物。

マイケルの実の母が死に直面したときに生き別れた息子に会いたいと願ったことが、ことの発端であり、マイケルの復讐の念から辿り着いたのが人身売買組織の≪ブルー・リング≫。
復讐の過程においてクリーシィは≪ブルー・リング≫から救出したジャネットを養子にし、クリーシィ、マイケル、ジャネットという家族の絆がどんどん深まっていき、幼くして悲惨な目にあったジャネットにとって、そして、クリーシィにしてもマイケルにしてもジャネットを家族に迎え入れることができてよかったと思います。

クリーシィたちの行動力、戦略の立て方、緻密さと大胆さ、どれをとっても超一級であることは間違いありません。

何度でも読みたくなる傑作です。

2012/11/05

クリーシイ　の３部作目である。
「パーフェクト・キル」「燃える男」と続く。
パーフェクトキルから読んだので、きわめて印象深い。
クリーシイの持つ冷徹さ、緻密な計画に驚いたものであった。
燃える男は、ちょっと違った、内容の展開で、
クリーシイらしくない感じがしたが、クリーシイがんばれで、
一つの方向性を出したように思える。

今回のブルーリングは、イタリアの中枢部分の腐敗そして
悪魔教の登場に設定の良さを感じる。
しかし、マイケルが主人公に成長してきている。　　

クリーシイを中心に人が集まる。
クリーシイが起こり、その周りが触発されていく。
不思議な世界である。