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神曲法廷 書下ろし本格ミステリー 講談社ノベルス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1998/01/07 |
JAN | 9784061820012 |
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神曲法廷
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人は神に代わり裁けるのか? 【内容】 新進気鋭の建築家が設計した巨大なドーム球場に、ダンテの「神曲」世界が顕現する。 一方で、崩壊した日本の司法。 自分の精神状態に自信を持てない主人公の検事と、彼がのめりこんだ「神曲」の雰囲気があいまって、司法を扱ったミステリでありながら幻想的...
人は神に代わり裁けるのか? 【内容】 新進気鋭の建築家が設計した巨大なドーム球場に、ダンテの「神曲」世界が顕現する。 一方で、崩壊した日本の司法。 自分の精神状態に自信を持てない主人公の検事と、彼がのめりこんだ「神曲」の雰囲気があいまって、司法を扱ったミステリでありながら幻想的。 【感想】 ミステリとしては、怪しい人がやっぱり怪しかったノーマルな感じやけど、ともかく、雰囲気づくりが頑張ってた。 寿岳文章の神曲はウチにもあるが一度「しか」読み通してない。何度も繰り返し体験するタイプのお話なのだろうに。もう一度読んでみようかとも思った。 (2012年11月23日読了) 簡単なリスト 【大月判事】判決が厳しい。神宮ドーム火災事件裁判の判事。連続殺人事件2人目の被害者。報道陣がごった返す東京地検の中でどうやって532法廷まで行けたのか? 【権威】あまりわかりやすくては裁判所の権威がたもてないということかもしれない。(p.42) 【検察官】独任官庁制により、一人一人が官庁としての独立を保証されているが検察官一体の原則により建前に過ぎなくなっている。 【財前】平凡なうえに平凡な人物。ほとんど印象の残らない。しかし、仕事は奇体なほどできる。 【佐伯神一郎】主人公。32歳独身。S県・検察庁刑事部の検事。 【鹿内弁護士】高検検事長を務めたのち弁護士に転身、成功した。神宮ドーム火災事件の弁護士。東京地検公衆控室で殺された。いっさいの凶器を持ち込めない公衆控室で何によって刺殺されたのか?ある意味本編最大の謎。 【司法】すでに崩壊している。 【青蓮佐和子/しょうれん・さわこ】東京地検近くの「ローカルバーガー」従業員。29歳。佐伯の大学文芸部後輩。少しだけ恋心のようなものを抱いていたようだ。鹿内弁護士に商品を売った。 【新道惟緒/しんどう・これお】藤堂、東郷の中高時代の友人。評論家。理論的には新左翼、心情的には新右翼らしい。 【高瀬警部補】警視庁捜査一課六係主任。温容な顔立ちなのに険しい印象を与える。佐伯の苦手な人物。 【東郷一誠/とうごう・いっせい】佐伯の同僚検事。43歳、小柄で痩せているが、精悍でおしゃれ。東京地検公判部のエース。佐伯にとって実の兄のように信頼できる存在。 【藤堂俊作】建築界の異端児。神宮ドームを設計した。東郷とは家が近所で中学、高校が同じ。神宮ドーム放火事件の後行方不明になった。 【謎の老人】藤堂の隠れ家的仕事場で佐伯が出会った老人。建物の管理をしているようだ。話しかけても反応がない。 【日本人】折口信夫の説をとるなら、日本人とは、祖霊がくりかえし憑いて、延々と生きつづける、死なない民族だということになる。(p.360) 【蟇目りよ】佐伯がカロン(三途の川の渡し守みたいな存在)と間違えた戦前のモガのような格好をした婆さん。刑事事件の裁判が好きで東京地方裁判所に入り浸っている。目の前で死刑の判決がなされるのを見るのが夢。「まだ、ここに来てはならない。あんたにはまだその資格がない」 【憑依】人がいまだに下意識のなかに隠し持っているのは不合理で原始的な呪術的世界なんです。(by望月) 【法条】科学警察研究所「方医第一研究室」研究員。僧侶になるつもりが骨に興味を抱きこの世界に。鼻歌がわりにお経をとなえる。 【水無月公男】謎の美少年。藤堂となんらかのつながりがあるらしい。 【望月幹男】東京S医大犯罪精神医学研究室・助教授。佐伯と同年輩。ポニーテール。佐伯はメフィストフェレスをイメージした。水無月公男は望月の患者らしい。 【綿抜周造】56歳。神宮ドームの防火管理責任者。火災事件の被告。
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力作。小説全体に「神曲」のイメージが支配し、無気味さを演出。とくに破滅的なエンディングが余韻を残す。機械トリックは新鮮味はないが、出しかたがなかなかうまい。
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ミステリー小説。神懸かり探偵と言うか、大丈夫なんだろうかこの人、と心配になるくらいダンテの「神曲」に取り憑かれた、精神的に不安定な探偵役が主人公。なかなか面白かったです。
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