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教養としての言語学 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 1996/09/20 |
JAN | 9784004304609 |
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教養としての言語学
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商品レビュー
3.4
14件のお客様レビュー
著者の鈴木さんといえば、慶応藤沢キャンパスを開くとき、英語のイマ―ジョンプログラムを統括したことで記憶している。 だから、長年外国語教育の専門家と勝手に思い込んでいたけれど、「言語社会学」が専門であると本書で知った。 本書は今から約30年前に出版された。 とすると、定年退職され...
著者の鈴木さんといえば、慶応藤沢キャンパスを開くとき、英語のイマ―ジョンプログラムを統括したことで記憶している。 だから、長年外国語教育の専門家と勝手に思い込んでいたけれど、「言語社会学」が専門であると本書で知った。 本書は今から約30年前に出版された。 とすると、定年退職された後、ご自身の研究のエッセンスを一般向けに書き直した本ということだろうか。 最初に、記号とは何かという概説から入る。 ソシュールの「言語の恣意性」の話が出てくる。 ソシュールが言ったのは、記号と指示対象の間に必然的な関係がないという恣意性。 そこに、鈴木さんはもう一つのレベルがある、という。 複数の記号間の関係に、指示内容間の関係が全く反映しないという恣意性のことだ。 大と小という文字がある。 指示内容として「大」の意味がある方を大きく書くとか、画数が多くするということはない。 こういう発想は、漢字を使う言語の研究者ならでは、なのかな、と面白く思う。 そして、この話が、動物の言語と人間の言語の区別を説明するときのキー概念となる。 ミツバチの八の字ダンスは、体系性のある記号と言える。 けれども、飛躍方向の示し方が、現実の角度を反映していて、構造的な写像関係がある。 そこが人間の言語とは違うということだった。 そもそも鈴木さんは、動物、とりわけ鳥が好きで、本当は生物学者になりたかったという話が面白い。 戦時中に学生時代を過ごしたため、戦争の役に立たない生物学をやるとは言えず、やむを得ず医学部に入り、戦後に言語学に転じたという。 言語学者としては、動物の言語の方から入ったというのだ。 昔の鳥屋さんが、名鳥を育てるために、幼い鳥を、良い声で鳴く鳥の下で育て、学ばせていたという話も面白い。 第二章はヤコブソンを援用してのあいさつの機能の分析。 第三章指示語、第四章の人称の問題は、メモしておきたいことがたくさんあるが…。 用例集めが大衆文学作品というところに、昔の研究者の大変さがしのばれる。 (それにしても、石坂洋二郎の小説の引用部分が謎すぎる。夫がスカートをかぶせられて何か怒っているのだが…。) 第五章は外来語の話で、本書の中ではちょっと異質な感じも受けた。 なんか、20世紀後半ごろまでの言語学の流れを追体験するかのような気分になる。
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大仰な言い回しの割に大したことが書かれてなくて失望した。そんなの当たり前じゃん、みたいな。言語学ってそもそもそういうものなのかな? 「教養」は功利とは別次元だと言われればその通りなのだが、この本で語られる研究成果が何の役に立つのかもよくわからない。
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指示語、人称代名詞の分析が面白い。単に置き換えとしての代名詞だけでなく、話者の個性や個々の言語の特徴が反映されている点は、気づかなかった。「ちょっと、そこの彼」といったように誰かを呼びかける際に、三人称「彼/彼女」を使うシーンをたまに見かけるけど、よくよく考えたら違和感満載。
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