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ロンドン骨董街の人びと
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 1997/12/25 |
JAN | 9784104210015 |
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商品レビュー
5
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【古美術商とイギリスの階級社会の体験記】 著者がロンドン大学 東洋アフリカ学院に留学されて、その後古美術売買業者に雇われ働かれた体験記。 そしてそれ以上に、イギリスあるいはロンドン社会についての視点がちりばめられたエピソード。 30年以上も前のことですが、とても興味深く、その時の情景が湧いてくるような本でした。 ・・・ 私の全く知らなかった、古美術商について。 ロンドンでは、18世紀半ばから、美術商というものが出てきたらしい。 その後、1910₋20年は、コレクター黄金時代。 また、1970年頃までに古美術が安価だった時代を経たベテラン コレクターたちを、Old times collectorsという。 1991年に景気悪化になるまでが、古美術ブームで、 著者もちょうどその年に日本に帰国、 勤めていたスピンクという超一流会社は、翌年1992年にクリスティーズの傘化に入ったとのことだから、 著者がご勤務されていた数年間は時代の変化を目の当たりにされた貴重な経験だったのだろうと思う。 場所について。 古美術商が発展したロンドンの地域が紹介されていて、 とくに著者も勤務していた、St. James界隈についてなど、とてもおもしろい。 その地で発展した背景として、 古美術の売り手が主に貴族、それも、王室を後にする貴族であるため、 持ち運びにも便利な王室の近くがにぎわうことに。 つまり、落ちぶれた貴族の弱みに付け込むのが古美術売買業界! 最後の方では、著者がロンドンの別荘に、屋敷の品々の切り売りの下見に行くのだけれど、それもまさに没落貴族の話でもあり、 それを身に行けるようなコネや知見、資金力を身に付けられているのだなーと思ったり。 古美術商の社会的立場についても。 日本と違い、古美術の職業、鑑定士が社会的地位を持っているのは、王室とのつながり。 エリザベス女王の祖母メアリーが古美術マニアだった点も挙げられている。 スピンクのメダル部は売買と製造を行っていて、他国の王室などへの贈呈用メダルも作ったりしていたらしい。 屋敷の品々を売る際にも、場所や建物を国に寄贈したりと、そうした特権階級的つながりが印象的だった。 東洋美術。 日本のいくつかの工芸品も出てくるのだけれど(伊万里、染付、柿右衛門)、 とくに紹介されていたのが中国美術の流入で、 17世紀から、オランダ東インド会社が持ち帰る東洋美術がイギリスにも流れてくる。 ロンドン憂鬱な曇り空には華やかな中国の壺などが求められたのかもという著者の見解も含め、中国美術が多く出回っている模様。 清の6代皇帝乾隆帝は中国美術売買の守護神とされているなんて、まったく知らなかった。 一方、 Natural materials(自然物の工芸品)といって、自然の持つ美の可能性を称賛する価値観も紹介されていた。 ・・・ 著者の体験記はとても面白いし、 視点からの学びが多い。 持てる者が持たざる者に与える、というイギリス独特の構図。 階級や出身国によった人の扱い方の違いなども多く経験されていて、 アジア人としての難しさは想像以上のものだろうけれど、 それでも著者が上流社会の人々とかかわり、馴染んでいっていて、 そのしなやかさ、能力はとても尊敬する。 アート・スクールは「即刻失業者の生産」と著者の同期学生が言っていた中で、 スピンクという、古美術業界では一流企業に就職されるだけの才が際立っていました。 街に堆積された歴史の「濃度」を感じながら、 モノだけではなく人まで判定する、そんな上流階級の人と密に関わりながら、 人間の欲と自我の渦巻く生き方を肌で感じながら、 ユニークな経験を経て、著者は階級は多様な価値観を生むものであり、 これにより、人の心を自由にできたのでは、との視点に至っていて、奥深い。 貴重な体験のご共有に感謝します。
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