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中央研究所の時代の終焉 研究開発の未来
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中央研究所の時代の終焉 研究開発の未来

リチャード・S.ローゼンブルーム(編者), ウィリアム・J.スペンサー(編者), 西村吉雄(訳者)

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中央研究所の時代の終焉 研究開発の未来

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日経BP社/日経BP出版センター
発売年月日 1998/10/12
JAN 9784822241322

中央研究所の時代の終焉

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2012/06/30
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特許はつくる、から特許を売るへ、一つの時代の終わりを我々はいま目撃している。100年前、大企業はサービス業的な事業に徹し、確信的な技術は個人発明家から買うというのが普通であった。特許は個人発明家が取得し、大企業にライセンスしたのである。しかし1930年頃、ヂュポンによるナイロンの成功が、中央研究所で特許をつくる時代を開く。企業内で基礎研究から製品化までを行うリニアモデルの時代である。この時代が終わって、再び特許をライセンスする時代が、すくなくともエレクトロニクスの分野では始まりつつある。この分野では、大企業の事業はサービス業的な傾向を強めている。いわゆるソリューションは、実質的にサービス業である。この構造では、技術開発は中小企業の役割であることが少なくない。新しい時代の特徴のひとつだ。 技術上の成果をたくさん生み出し、学術的な名声をえたことが、会社に最終的な利益をもたらしたか。不幸にも、必ずしもそうではなかった。 米国にはじまる中央研究所のブームは、1914年の第一次世界大戦勃発にはじまる。戦争を契機とするドイツからの化学製品の供給停止などにより、ドイツの化学産業に対抗せんとするヂュポンやコダックがあいついで中央研究所を設立、戦時の化学戦対策や国防上必要とされた薬品研究によっても潤った。 1930年代、ヂュポンの高分子の研究からナイロン製品が大ヒットし、1939年に製品化されてから1990年代まで、ヂュポンは290億ドルの利益をもたらした。世界に通用する基礎研究を行い、「世界初」を商品化できれば、その商品を完全に独占することができ、大きな利益をあげることができる」というヂュポンによる基礎研究の公式が、その他の企業にも広まった。 研究所を持たなかった多くの企業が中央研究所をもちはじめたのは、戦後になってからである。この頃、企業が基礎研究に投資しないことに、うしろめたさもあったという。 しかし、1960年代に入ると、このリニアモデルが通用しなくなってくる。GEの研究所はいくつか斬新な成果をだしたが、会社は殆ど儲けを回収できなかった。ヂュポンはニューナイロンをつくれなかった。コダックも新しい写真システムを得ることはなかった。 1970年代、それまで米国が支配していた研究開発、新技術を開発し、実用化する能力が米国から世界中に拡散した。 1980年代、米国の独禁政策が大きく転換し、企業の合弁、共同研究に対する規制緩和が進んだ。1984年の米国共同研究法や1993年の合弁製造企業への独占禁止規制緩和がその象徴である。 また90年代、新製品開発のコストが劇的に上がり、個々の企業がその研究開発コストを負担することが難しくなる。 これらを契機として、企業における研究開発の外部化、リニアシステムからオープンシステムへのパラダイム変化がおきる。その傾向はIBM、ゼロックス、HPなどで顕著であるが、インテルは、最初から中央研究所を持たなかった。また製薬企業は、当初から大学や政府系研究機関NIHに基礎研究を頼っていた。 中央研究所の重要な特徴は、それがひとつの企業に垂直統合された社内組織だということである。中央研究所がシーズを産み、それを社内で開発して製品にしあげ、同じ会社が販売するリニアモデルが中央研究所時代の特徴だ。

Posted by ブクログ

2009/10/14

開始:20090812、完了:20090813 中央研究所批判の内容かと思ったが、そうではなく、技術の幅が広がり、中央研究所ではカバーしきれなくなったので、外部ともっと協力しましょう、みたいな内容だった。たぶん、これをベースにオープンイノベーションへと時代が進んでいくのだと思う...

開始:20090812、完了:20090813 中央研究所批判の内容かと思ったが、そうではなく、技術の幅が広がり、中央研究所ではカバーしきれなくなったので、外部ともっと協力しましょう、みたいな内容だった。たぶん、これをベースにオープンイノベーションへと時代が進んでいくのだと思う。以下、気になった言葉。中央研究所からの見返りが少ない。純粋科学理想主義。リニアモデル。産業、政府、学会。過去15年中央研究所を縮小して大学との関係を強化してきた。研究開発が成功するには日々の意思決定と長期的意思決定とがうまくかみ合わなければならない。研究開発戦略と企業戦略の一体化の失敗。大学の研究は社内の研究を補完するものでなければならない。研究者は技術知識、ビジネス戦略、研究経験、研究科学者の心理的性質などの組み合わせからなっていたが、なによりも技術的センスが重視された。ゼロックス、4つのタイプ①探索的研究への投資、②新しく出現しつつある市場や技術の可能性を見極めるための投資、③戦略的能力を拡大するための投資、④中核技術への投資。起業の成功には研究開発以外にもいろいろな要素が必要。研究者はギャップに橋をかける。ベンチャーはあたし意ものを創造するのに向いているのではなく、新しいものを活用するのに向いている。大企業はやらない。大またで走り抜けたあとにアイデアがある。共感的手法でユーザ理解。人類学的アプローチ。

Posted by ブクログ

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