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海市 もうひとつのユートピア
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | NTT出版/ |
発売年月日 | 1998/03/30 |
JAN | 9784871885584 |
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海市
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都市の自己生成は可能か。その長年の難問に対し、期待していた答えには行き着かなかった。 やはり、建築家は都市全体をコントロールしたいという創造主(デミウルゴス)の夢を放棄し、与えられた敷地内のオブジェを洗練させることのみでしか、都市と関わることができないのか。 以下、内容まとめ...
都市の自己生成は可能か。その長年の難問に対し、期待していた答えには行き着かなかった。 やはり、建築家は都市全体をコントロールしたいという創造主(デミウルゴス)の夢を放棄し、与えられた敷地内のオブジェを洗練させることのみでしか、都市と関わることができないのか。 以下、内容まとめ Ⅰ・計画の終焉 ①社会の秩序を構成する主体が不明になった(皇帝、天子、etc.)。 特定の組織や個人が秩序を明確に表現できなくなった。 ②新しい社会の秩序は「空間」では表現できなくなった。 新しい秩序は「ネットワーク」のなかに存在し始めた。 いわば、フィジカルスペースではないところへ秩序が移り始めている。 Ⅱ.社会の終焉 『社会契約論』は「家族」をモデルにしている。「家族」が社会の最小限の単位なんだとしているが、その概念はもう機能しなくなった。資本主義のシステムが、人々を経済活動の単位として平等にすると同時に、人々をアトム(原子)化させる。 Ⅲ.都市は可能か 「社会契約」を中心にした社会の変容、経済の動きも含めた広い意味での「計画」概念の危機、そして結果的に空間と社会相互の表象関係が成立しなくなった。 新しい社会の秩序や契約は、従来の「地理的空間」とはまったく関係ないところで成立し始めている。 生まれた場所も学校も職場もまったく違う人同士が社会契約を結ぶチャンスが出てきている。 社会という概念がなくなるということは、主体に対して外部が存在しないということであるから、主体ということへの意識が次第に希薄になってくる。 つまり、近代的な意味での主体が解体し、同様に国家概念も解体していく。「海市」はそれでもなお「都市は可能か」と問いかけるのである。 都市というのは物理的なものではなくて、人間同士が受発信する情報のさまざまな関係の集合体だと考えると、物理的には見えないもののあいだの諸関係こそが「都市」なのである。 しかし、情報の諸関係という、そういう新しい枠組みを果たして「都市」と呼ぶことができるのだろうか。 これまでの時間・空間の概念が解体して、計画という近代を基本的に支えていた手段までが無効になった、そんな事態をせめてあきらかにする、こんな手がかりが見え始めているように見える。
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