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シングル単位の恋愛・家族論 ジェンダー・フリーな関係へ SEKAISHISO SEMINAR
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シングル単位の恋愛・家族論 ジェンダー・フリーな関係へ SEKAISHISO SEMINAR

伊田広行(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 世界思想社/
発売年月日 1998/04/20
JAN 9784790706991

シングル単位の恋愛・家族論

¥220

商品レビュー

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2016/03/21

排他的な「家族」や「恋愛」からの解放を主張した、ラディカルな内容の本です。 個人的には、著者の提唱しているような新しい社会のあり方は望ましいと思います。また、少しずつでもそうした方向に向かって現実が進んでいくことへの希望も持ち併せているつもりでいます。それでも、著者の議論の設計...

排他的な「家族」や「恋愛」からの解放を主張した、ラディカルな内容の本です。 個人的には、著者の提唱しているような新しい社会のあり方は望ましいと思います。また、少しずつでもそうした方向に向かって現実が進んでいくことへの希望も持ち併せているつもりでいます。それでも、著者の議論の設計主義的なスタイルに、なじめないものを感じてしまいました。 現在の「家族」観や「恋愛」観が抑圧的な側面を持っているということは、おそらく著者の主張する通りでしょう。しかしながらそのような指摘をおこなうことと、現在私たちがさまざまな人間関係の中で享受している喜びを「自分の喜び」として個人に回収し、そうした自立した個人を単位とする社会システムを設計することは、とりあえずは別のことです。著者の議論はあまりに性急ではないかと思えてなりません。 むろん著者も、そうした「幻想」をただちに排するべきだと主張しているのではなく、それが「幻想」にすぎないことを自覚することが必要だと述べているにすぎません。しかし、本当に「自覚」が突き詰められるならば、著者自身がシングル単位の恋愛や家族から享受しうると考えている「自分の喜び」が、どれほど旧来の恋愛観や家族観から、概念的ないし感情的なリソースを備給されて成立しているのかということに思い至らざるをえないのではないでしょうか。理想的な社会システムを設計する前に私たちが取り掛からなければならないのは、「自分の喜び」がどれほど(抑圧的な)恋愛観や家族観と骨がらみになっているのかを、ていねいに腑分けする作業のはずです。 著者は、本質主義的な家族観やジェンダー概念を少しも疑おうとしないユング心理学を批判しています。河合隼雄の文化論が広く普及し、林道義の『父性の復権』(中公新書)という本がベストセラーになるようなこの国の文化状況においては、ユングを批判することにも一定の意義はあるのでしょうが、ラカン派の精神分析家であれば、むしろ私たちに骨がらみとなっているこの事態から距離を取ることの難しさについて語ったことでしょう。この点では、さすがに構造主義の達成した成果を踏まえた上野千鶴子の議論の方に、一日の長があるように思います。個人的には、著者の設計主義的なスタンスより、反フェミニズム論者である内田樹の「自分の正しさを雄弁に主張することのできる知性よりも、自分の愚かさを吟味できる知性のほうが、私は好きだ」という言葉の方に惹かれます。

Posted by ブクログ

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