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死を求める人びと
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
発売年月日 | 1998/06/18 |
JAN | 9784894561311 |
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商品レビュー
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医学への多大な不信がオランダでも物議を醸した本。記録、発言がまとめられているかと思ったが、もっと物語仕立て。いや、筋が無いから詩に近いのかも。患者の状況、葛藤、同僚との皮肉な会話、見た夢、がごちゃ混ぜに並んでいる。 ただ、とっても科学的だ。この人が腹を立てるのは、死と正面から向き...
医学への多大な不信がオランダでも物議を醸した本。記録、発言がまとめられているかと思ったが、もっと物語仕立て。いや、筋が無いから詩に近いのかも。患者の状況、葛藤、同僚との皮肉な会話、見た夢、がごちゃ混ぜに並んでいる。 ただ、とっても科学的だ。この人が腹を立てるのは、死と正面から向き合わず、何かでその苦しみからひっそりと逃れる事ができると思っている人を見る時。それが、宗教でも、瞑想でも、医学でも。 ・ミーケ(看護婦長)が乾布探しを手伝ってくれているあいだ、わたしは彼女にカフカの手紙と日記の話しをした。カフカは、自らの疑念を子細に観察する事によって、いかに苦しんだ事か。 「要するに、カフカはノイローゼだったんじゃないの?」 「何てことを!どうしてそんなことがいえるの?それじゃナイアガラの滝を見て、『要するにこれはH2Oよ』なんていえるかい?」 「いっちゃいけない?断崖からふってくるのがカリフラワーだったら、全然違う光景になると思うけど」 ・昔ぼくは、精神科の患者を相手にすればすばらしいことを発見できるって思っていた。精神科の患者をまるでデルフォイの巫女みたいにイメージしてたんだ。患者たちは自分の内奥から立ち上ってくる蒸気を吸って神がかり状態になり、人間に関する強烈な託宣を述べるのだ、とね。ところがぼくが実際に出会ったのは哀れな精神病患者たちで、彼らは、例えば、〈机のうえを後ずさりしているこのオレンジ色のトカゲは、いったい何歳なんだろう?〉という問題に頭を悩ましていた。現実と関わり合いのある疑問なんて何一つ抱いてなかったんだ。 ・偽薬効果が生ずるのは、「これは本物の薬です」という情報を介してだ。イヌの場合、「散歩に連れてってやろう」という人間の動作は理解できるとしても、「これでお前の病気が治るんだよ」といっても、その言葉は理解できない。カナダの医学者ケスラーはそれを表して、「人間と動物の違いは、薬を飲みたがる欲求にある」と言った。 一般には〈現代医学は科学研究の一分野であり、ワケの分からない偽薬効果など相手にしない〉とされている。肺炎球菌を撲滅するためにペニシリンを投与する場合、医者から説得力のある説明がなかったからといってペニシリンが効かなかったなどということはほとんど考えられない。だが、医療行為によって惹起される現象の中で、生化学上の原因が直接証明できるものなど、全体的に見れば一握りに過ぎないのだ。暗い森のなかに開いている狭い空き地のようなもの。医者は、森を歩き回りながら、その小さな空き地を絶対忘れまいとする。そうしないと、自分がなんだか詐欺師のように思えてくるからだ。何の話かって?多くの場合、医者は根負けしてしまい、聖なるルルドの泉と同列の薬や治療法をまき散らしているのだ。 人間には多血質、胆汁質、粘液質、憂鬱質、という四つの気質があると言い出したのは、医学の父ヒポクラテスだ。病気は以上四つの体液のアンバランスが原因とされてきた。この説は二千年間、ないし二千三百年にわたって連綿と信じられ、医師たちは、十九世紀半ばまで、瀉血をしたり吐かせたり、下痢をさせたりしてきた。確たる効果などもちろん無かった。効き目のない治療をなぜ延々と行ってきたのだろう?きっと効果など重要じゃなかったのだ。あるいは、現代人が思うほどには重要じゃなかったのだ。こうした治療はいわば祈りだったのだ。 ・娘は泣き笑いしながら父親の顔をなで、話しかける。 「お父さんはこれからへリーのところへ行くのよ。アドリーもお母さんも待ってるわ、それからスーシャもね。」 「スーシャ」のところで、彼が突然目を開く。「おいおい、それはネコじゃないか」 「落ち着いて」娘が言う。「ネコだって天国に行けるのよ」 彼はあきれたようにつぶやく。「ネコがかい?」そして微笑みながら肩をすくめる。これが最後の動作だった。十分後、彼は死んだ。 …安楽死の儀式は、まだ存在していない。
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オランダのナーシングホームで亡くなっていく人たちの話。生きてきた様が色々であったように死もまた色々です。
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人の死というものがどれほど実は近いもので、 どれほどみんなが実感してないかってのが 凄く分かった気がする。 自身、死を意識することなんてないけからこそこの本を読んで 死という存在の近さを少しでも感じれた気がする
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