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FMラルース999日の奇跡 ボランティアの作ったラジオ局
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FMラルース999日の奇跡 ボランティアの作ったラジオ局

近兼拓史(著者)

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FMラルース999日の奇跡 ボランティアの作ったラジオ局

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 鹿砦社/
発売年月日 1998/07/10
JAN 9784846302849

FMラルース999日の奇跡

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2016/02/08

先日、著者の近兼拓史(ちかかね たくし)氏と知り合う機会があり、防災関係の話が広がって、直接ご本人から著作を頂きました。 1995年の阪神淡路大震災で被災した氏が、震災をきっかけに、西宮市に防災支援放送局を開設しようと奔走し、FMラルースを開局して軌道に乗せていった話が語られてい...

先日、著者の近兼拓史(ちかかね たくし)氏と知り合う機会があり、防災関係の話が広がって、直接ご本人から著作を頂きました。 1995年の阪神淡路大震災で被災した氏が、震災をきっかけに、西宮市に防災支援放送局を開設しようと奔走し、FMラルースを開局して軌道に乗せていった話が語られています。 震災が起こってからたった半年でのスピード開設。 震災後、まだ地盤が不安定な被災地で、地滑り箇所や土砂災害等の情報を伝える場がないと氏は気づき、地域発信のラジオ局の必要性を感じたそうです。 コミュニティFM局は設立に時間がかかるため、免許不要のミニFM局「FMラルース」を立ち上げることにしたそう。 あの未曾有の大地震の後は、情報の錯綜により、被災地では長いこと大混乱が続いていたことでしょう。 そんな中で、半年間で局を立ち上げたというのは驚きです。 ミニFM局開設といったら、ホイチョイ映画『波の数だけ抱きしめて』を思い出しますが、こちらの存在理由は趣味の延長のような楽しいものではない、もっと切実なもの。 当初の放送エリアはたった100mのみでスタジオは8畳の小さなものだったそう。 最初の仕事は、ボランティアを募集するビラ配りだったそうです。 素人がFMを立ち上げるまでには想像しきれない大変さがあったことと思われますが、深刻な文面ではありません。 日本一のミニFMと言われ、ボランティアの助けを借りながら配信を続け、地域住民の支えになっていったとのこと。 スタッフは7歳から80歳までと年齢も国籍も様々で、スタジオには毎日200人が出入りする、にぎやかな活動をしているとのこと。 そう聞くと、順風満帆のようですが、たとえボランティア運営を行ったとしても、事務局は活動費として結構な予算を負担していることになります。 ラルースは特にNPO化もせず、大企業からの寄付を受けずに活動していたそうです。 収入は、300円の公式ステッカーの売り上げのみ。 それだけではたちゆかず、氏の個人貯金を切り崩してやりくりしていたとのこと。 費用面の問題から、活動を辞める決心もしたそうですが、リスナーから寄せられる反応を見て思いとどまったとのこと。 負担は相当きつかっただろうことが伺えますが、ここもさらりと、あまり詳しくは語られません。 現在ではFMラルースは、西宮市や地元企業との協力で、第三セクターの西宮コミュニティ放送(さくらFM)となり、現在でも防災ステーションの役割を引き継ぎながら活動中。 阪神淡路大震災時の教訓は、その後日本を襲った別の災害の時にも生かされており、ラルースのようなミニFM局は、災害時に強いということが立証されています。 災害国である以上、いつどんな大きな自然災害が起こるかはわかりません。 ライフラインが途切れた有事に頼る情報はやはりラジオ。 限界状況では、情報が人の命を救うこともあるため、FMはやはりなくてはならないもの。 利用する側にある私たちも、非常時の困った時にはこのようなミニFMのことを思い出せるとずいぶん安心できることと思います。 ラルース(La luz)とは、スペイン語で光を意味する言葉。 神戸ルミナリエも光の祭典ですが、あの華やかさとはまた違う意味で、震災後のすさんだ被災者たちの希望の光となっていったミニ放送局です。 文中で、木村太郎氏がさくらFM開局に向けての文章を寄せていました。 放送業界に身を置く人は、地域密着型の活動をメインにしている放送局にも注目しているのでしょう。 それにしても、と自分が体験した東日本大震災を思い出します。 全てが根底から覆されたようなあの大地震の後、しばらくの間は誰もが普通ではいられないような、ぎりぎりの心理状態でした。 それを、自身も実家も職場も被災を受けていながらも、他の住民の困難を思って立ち上がり、行動していった氏のバイタリティには敬服するばかり。 非常時の人間力についていろいろと考えさせられた内容でした。

Posted by ブクログ

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