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聖者と学僧の島 文明の灯を守ったアイルランド
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聖者と学僧の島 文明の灯を守ったアイルランド

トマスカヒル(著者), 森夏樹(訳者)

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聖者と学僧の島 文明の灯を守ったアイルランド

定価 ¥2,860

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社
発売年月日 1997/05/10
JAN 9784791755332

聖者と学僧の島

¥990

商品レビュー

3.7

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2016/05/02

ローマ帝国崩壊後の暗黒時代、侵略者たちによってキリスト教的文化が根こそぎ破壊された。 失われるかと思われたそれらの西欧文明は、海を越え、野蛮人の国であったアイルランドで生き残っていた。 アイルランドに育まれた写本の文化が、失われたローマ帝国時代のキリスト教的文化を受け継ぎ、後年大...

ローマ帝国崩壊後の暗黒時代、侵略者たちによってキリスト教的文化が根こそぎ破壊された。 失われるかと思われたそれらの西欧文明は、海を越え、野蛮人の国であったアイルランドで生き残っていた。 アイルランドに育まれた写本の文化が、失われたローマ帝国時代のキリスト教的文化を受け継ぎ、後年大陸へと受け継がれた。 ローマ帝国が崩壊した理由は何だったか。 解釈の一つは、みずからの持つ脆弱さのために崩壊したとするもの。この脆弱性は社会的なものと精神的なものの双方を指す。 もうひとつは、外部の圧力(異民族)によって滅んだとする解釈がある。 ともあれ、ローマは何十年かによって徐々に崩壊していった。またローマ人たちはその崩壊を気づかなかったということ。 聖パトリックはアイルランドにキリスト教を伝道した。 それは歴史上はじめての、ローマ化されていないキリスト教だった。 ここからアイルランドの文明は変わっていく。 奴隷や人身供養はなくなり、戦争の数は減っていった。 エドマンド・キャンピオンが1581年に記したアイルランド人の特徴。 宗教心があり、素直で、好色、短気だが、計り知れないほどの苦痛を耐え忍ぶことができる。 名誉心が強く、魔法を使うものがたくさんいる。 優れた騎手。戦争を喜ぶ。大変な慈善家。人をもてなす心が強い。 彼らはウィットに富み、学ぶことが好きだ。熱中するとどんなものでも習得する。絶えず働いている。 冒険心に溢れている。頑固、親切な心を持ち、不満があっても黙している。 アイルランド人は寛容だった。 あらゆる人間を受け入れ、異なった考え方についても寛容な態度を示した。 手に入る本ならなんでも、全て自分たちの図書館へと入れた。 聖コルムキルはアイルランドから旅をし、スコットランド中に布教活動をした。 それを倣った修道士たちは、あらゆる土地を目指して旅立っていった。 アイスランドやグリーンランド、北アメリカに渡ったものもいた。 もちろんヨーロッパへと渡ったものは数知れない。 暗黒時代を経過したヨーロッパではラテン文字は失われてしまっていた。 アイルランド人が保存していなければ、今日では消失してしまっていただろう。 当時のヨーロッパでは文字を読むことすらできなくなっていた。 シャルルマーニュのもとで中世ヨーロッパの最初のルネサンスが開花した。 シャルルマーニュはなんとか文字こそ読めたが、書くことは出来なかった。 それほどまでに大陸の文明は衰退していた。 アイルランドの写本が大陸にわたらなかったら、ルネサンスは訪れなかったのかもしれない。

Posted by ブクログ

2012/07/20

アイルランドにキリスト教が伝わるまで、そしてアイルランドの文化と融合して、どんなに素晴らしいキリスト教文化を作り上げ世界に送り出したか、を教えてくれます。最初はとっつきにくいですが、第三章からどんどん面白くなります。 小説家の塩野七生さんが「生きている犬の方が死んでしまったライオ...

アイルランドにキリスト教が伝わるまで、そしてアイルランドの文化と融合して、どんなに素晴らしいキリスト教文化を作り上げ世界に送り出したか、を教えてくれます。最初はとっつきにくいですが、第三章からどんどん面白くなります。 小説家の塩野七生さんが「生きている犬の方が死んでしまったライオンよりずっとよい」という言葉を使われていて、誰が言ったんだろうとずっと気になっていましたが、この本で分かりました。アイルランドの修道士コルンバーヌスです。当時の教皇グレゴリウス一世と先任者大レオ一世をからかったものでした。

Posted by ブクログ

2012/01/26

ローマが崩壊、蛮族による焚書から文明を守ったのはアイルランドの学僧だった―― 【ローマ末期の状況】いままでおこなわれていたことをうまく上手にこなすことこそ重要とされる相当膠着した社会だった。 【ローマ下のキリスト教】現在の原理主義的キリスト教のイメージ=セックスに対する過剰な...

ローマが崩壊、蛮族による焚書から文明を守ったのはアイルランドの学僧だった―― 【ローマ末期の状況】いままでおこなわれていたことをうまく上手にこなすことこそ重要とされる相当膠着した社会だった。 【ローマ下のキリスト教】現在の原理主義的キリスト教のイメージ=セックスに対する過剰な罪の意識=アウグスティヌスの宗教観=自らの不義に対する罪の意識が肥大したもの=良くいえば、上流階級的スタイリッシュな思想ではなく、現代におきかえるとトルストイやジョイスと近しい「教育を受けた野人」的感性という面もある。 【アイルランド下のキリスト教】性的には奔放。男女差は問わず。施しの概念。非常にリベラル。弁論もじつにアイロニカルで面白い。『真実の根拠に裏打ちされていない権威はすべて弱弱しくみえる。それに反して、真実の根拠はなんら権威によって支えられる必要などない』それをヨーロッパに逆輸入したのはコロンバーヌス。

Posted by ブクログ

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