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聖戦ヴァンデ(下)
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聖戦ヴァンデ(下)

藤本ひとみ(著者)

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聖戦ヴァンデ(下)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/
発売年月日 1997/02/28
JAN 9784048730303

聖戦ヴァンデ(下)

¥110

商品レビュー

3.5

4件のお客様レビュー

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2015/10/31

ジュリアンはバカだ。 頭は切れるのかもしれないが、大バカだ。 全ての民を虐殺して、草も生えないような焦土にして、そうまでして作り上げた国で一体何ができるというのか。 ロベスピエールの横に建つ自分を想像し、それしか見えなくなって、なんてことをしてくれたんだ。 ジュリアンが殺した民...

ジュリアンはバカだ。 頭は切れるのかもしれないが、大バカだ。 全ての民を虐殺して、草も生えないような焦土にして、そうまでして作り上げた国で一体何ができるというのか。 ロベスピエールの横に建つ自分を想像し、それしか見えなくなって、なんてことをしてくれたんだ。 ジュリアンが殺した民をこそ救うために、革命は行われたのではなかったのか? 十二国記の中で延王が「民のいない土地だけがあって、何の国王ぞ」と言ったこと、ジュリアンはしかと読んでおくべきだと思うね。 “「どんな暮らしが幸せなんだ」 フロルは、はしゃいだ声を立てた。 「決まっているわ、家族皆で、一緒に夕食を食べられる暮らしよ。神様を崇めて、その日の食べ物に恵まれたことを感謝して、明日もまた頑張ろうって思える暮らしよ。だから家族の誰かを戦争に送ることなんて耐えられなかったし、司祭様を取り上げられるのにも我慢できなかったんだもの。自分たちの暮らしを守るために、私たちは戦ってきたのよ」” 勝つためには手段を選ばないジュリアンに対して、農夫や女子供老人たちを見捨てることもできなければ、無理に締め付けることもできなかったアンリは、あまりにも不利だった。 正義だなんだと信念を持つ者は作戦を立て、采配を振るうが、先頭に立って戦っているのはどちらも一般庶民なのである。 そして、互いに自分たちの国を焼け野原にしているわけで、こうなってくるとなんのため、誰のために戦っているのかさっぱりわからなくなってくる。 戦うことで利を得る庶民はいないのだから。 “「ご存じですか、血は、罪を洗い流すということを。主イエスの流した血が人類の罪を清めたことを、お考えいただければ充分です。あなたによって流された夥しい血は、革命への反逆というヴァンデの罪を洗い、流し去り、彼らの戦いを、聖戦とするに違いありません。百年、二百年後の評価において、あなたは、ただの大量殺人者です」” ジュリアンへ言い放ったニコラの言葉。 戦争を書いた史実なので、重要人物はあっけなく死ぬ。 立場によって異なる正義の、どちらかだけを善とすることは意味がない。 だけど、革命軍の中枢にいながら革命軍の過ちを指摘し、なお、アンリとの友情を忘れなかったニコラは、この物語の良心と言えるだろう。

Posted by ブクログ

2011/08/20

ニコラ・オッシュがあまり出てこなかったのが,ちょっと不満。アンリとの絡みももう少しあってほしかったな。若い,というよりほとんど幼いジュリアンが突っ走っていくのが痛ましい。

Posted by ブクログ

2009/03/10

ヴァンデ地方の反乱から端を発したアンリ属するカトリック王党軍。 快進撃を続けていたが、共和国の統一を阻む存在として共和軍の第一撃破目標にされてしまう。 少壮の議員ジュリアンが提案した作戦はヴァンデの名称さえ地図から消してしまおうとするまでの、根絶やし作戦だった。 アンリの集...

ヴァンデ地方の反乱から端を発したアンリ属するカトリック王党軍。 快進撃を続けていたが、共和国の統一を阻む存在として共和軍の第一撃破目標にされてしまう。 少壮の議員ジュリアンが提案した作戦はヴァンデの名称さえ地図から消してしまおうとするまでの、根絶やし作戦だった。 アンリの集団を率いる者としての苦悩。 ジュリアンの優秀ながらも狭窄化した愚かな思想。 そう言ったものが下巻のメインのテーマだと思う。 こういった男たちでさえも悠久の時の流れの中では一瞬の輝きでしかなかったのだと思うと、少し切ない。

Posted by ブクログ

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