バイバイ

鷺沢萠(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川書店/
• 発売年月日: 1997/02/28
• JAN: 9784048730228

商品レビュー

2010/05/28

人を信じず、人の寂し…

[文庫ＯＦＦ]

人を信じず、人の寂しさを埋める言葉を吐き続ける男のはなし。三又してて、女性から見たらとんでもないやつなのに、なぜか優しく思ってしまう。さよならがいえない、嫌われたくないって当たり前の感情だからかな？

2008/09/24

とても寂しい本。ラストに救いがあるけど、それでも心がシンとする。人を観察し、何をやってもらいたがっているのか何を言ってもらいたがっているのかをいち早く察知し、それを行動に移す。人の好意を得るために、人に嫌われないために。勝利を「ショーリ」と呼ぶのが、とても乾いていてその渾名自体が寂しい。―「さようなら」を言えないのは相手のことを傷つけるのが怖いからで、傷つけるのが怖いのは嫌われるのが怖いからだった―読むときの心理状態によって評価が変わりそうな本。今日はとても、この本を読むのにいい日だった。

2007/03/15

この本は、深い！そしてリアル。
勝利みたいな男の人って、実際にいると思うんだよね。
本当はずるくて、でも魅力的で、みたいな。

「人を信じるのは狂気の沙汰だ。ふつうのことではない」
好きになった男を信じるっていうのはすごいことなんだな、って思った。
どうしようもないところまで好き、なのかな。
そんなにまで勝利を好きで、

「信じたい」とか「信じよう」とかではなくて「信じることにした」
圭子も、圭子にそこまで惚れさせた勝利もすごいと思う。