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ぼくの心の闇の声
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 徳間書店/ |
発売年月日 | 1997/02/28 |
JAN | 9784198606596 |
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商品レビュー
3.7
10件のお客様レビュー
大変な時代には、大人でも心を塞いでしまわないと生きていけなくなってしまう人もいて、視野を(わざと?)狭くして自分のすべき事だけ見るという人もいるだろう。また、醜い事をしながら生きていく人もいて、そんな中で主人公の少年は、周りを客観視する目を持ち、自分の頭で考え動こうとする。酷い事...
大変な時代には、大人でも心を塞いでしまわないと生きていけなくなってしまう人もいて、視野を(わざと?)狭くして自分のすべき事だけ見るという人もいるだろう。また、醜い事をしながら生きていく人もいて、そんな中で主人公の少年は、周りを客観視する目を持ち、自分の頭で考え動こうとする。酷い事、人に出会った時、自分ならどうするのか?考えさせられる一冊。
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悪いこととわかっていることをしなくてはいけない、という取引を大人から持ちかけられる。 そんな大人は現実の世界にもいるが、重苦しい。
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1940年代後半、アメリカマサチューセッツ州。 家族の期待の星だった兄を事故で亡くした11歳のヘンリー。悲しみのあまり父は引きこもり、母は生活のためにレストランのウェイトレスをしている。金を稼ぐため、ヘンリーも食料品店でアルバイトをしている。食料品店の店主ヘアストンは客の前では愛...
1940年代後半、アメリカマサチューセッツ州。 家族の期待の星だった兄を事故で亡くした11歳のヘンリー。悲しみのあまり父は引きこもり、母は生活のためにレストランのウェイトレスをしている。金を稼ぐため、ヘンリーも食料品店でアルバイトをしている。食料品店の店主ヘアストンは客の前では愛想がいいが、客がいなくなった途端その客の民族(客は白人だけだが、ポーランド系、イタリア系、アイルランド系、ユダヤ系など様々)の悪口を言う差別主義者であり、妻や娘に暴力を振るう男である。もう、この設定だけでかなり重い。 その上、ヘンリーの家の隣の精神病院にはホロコーストで家族全員を失ったユダヤ人男性がおり、この男性とヘンリーとの交流が、ヘアストンの悪意を増幅させるのだ。 終わりは希望があるものの、かなり苦い後味。 ヘアストンがナチスの残党とかではなく、単なるレイシストというところが、実際にありそうで不快。主人公はフレンチカナダ系(フランスからカナダに移住し、その後アメリカに移住した人々)で、現在では白人同士が先祖の出自で差別しあう風潮はあまりないと思うが、この頃はまだ濃厚にあったようだ。だからアジア人とか黒人はもう、人間ですらないって感じだっただろうね。 最初に出版されたのが1992年だが、あからさまな差別は減っていても、差別意識はなくなりはしない。最近の日本もひどいもので、設定を変えれば日本を舞台でリライトできる物語。 短いので、若い人にも読んでほしい。 欲を言えば、ヘアストンがわかりやすい「悪者」であるより、家族を大事にする社会人としてちゃんとした男にした方が良かったのではないかと思う。ナチス幹部にもそういう人いたし。善悪がきっちり分けられるとは限らない。
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