泉鏡花集成(12) 婦系図・日本橋 ちくま文庫
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泉鏡花集成(12) 婦系図・日本橋 ちくま文庫

泉鏡花(著者), 種村季弘(編者)

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泉鏡花集成(12) 婦系図・日本橋 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 1997/01/25
JAN 9784480032423

泉鏡花集成(12)

¥1,650

商品レビュー

3.3

3件のお客様レビュー

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2010/05/28

『婦系図』と『日本橋…

『婦系図』と『日本橋』。鏡花の芸者物の双璧です。

文庫OFF

2010/05/28

有名な長編『婦系図』…

有名な長編『婦系図』と芸者を描いた『日本橋』を収録です。

文庫OFF

2020/03/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「婦系図」および「日本橋」を収録。前者は日本文学史上に残る名作だが、わたしはタイトルと著者以外の情報を知らなかった――解説などには「湯島の白梅」の場面が有名と書かれているが、わたしはその場面すら知らなかった――ので、いわゆる「純文学純文学」している小説なのかと思っていたが、ところがどっこい、本書の解説でも称されているように、本作はエンターテインメント性に溢れた「ピカレスク・ロマン」である。それに加えて、「隼」以降の怒濤の展開、とくに早瀬主税がその正体を明かす場面に、わたしは某推理小説の「ヴァン・ダインです」というセリフにも似た感じを覚えたので、推理小説のような趣もある。しかし、本作が娯楽一色なのかといえばそういうわけでもなく、最後の展開が物語っているが、エリート主義的な社会規範に対する反抗という、社会的なテーマも主題となっており、この二重性がまた、今日に至るまで高い評価を受けている所以であろう。以前ほかの小説の書評でも似たようなことを書いたが、一見ただの恋愛を描いているように見えて、その実社会的な深遠な要素も含まれているというのは、文学の基本に見えて、大変高度な技術だと思う。こういった良質の文学に触れることができてとても満足している。また、「日本橋」についても、それが感想の主軸ではないのだが、最後の急展開は、まるでジェット・コースターのようで、探偵役が登場して一気に物語が動き出す推理小説のような感じもあった。純粋な意味での推理小説ではないだろうが、広義ではそれに該当するとも捉えられる。大正期には、谷崎潤一郎が犯罪小説を書いたり、あるいは今日までその真相が議論の的となる芥川龍之介「藪の中」が著されたりしているが、それよりも早い時代に、このような小説があったとは知らず驚いた。

Posted by ブクログ

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