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海峡を越えたホームラン 祖国という名の異文化 双葉文庫POCHE FUTABA
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 1997/01/30 |
JAN | 9784575710960 |
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海峡を越えたホームラン
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商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
1984年10月の初版発行なので、ほぼ40年前の本だ。 1982年に韓国にプロ野球が発足した。1983年には、元広島カープの福士投手など、日本のプロ野球でプレーしていた選手が6人、韓国のプロ野球に身を投じた。彼らには共通点があった。それは、彼らが在日韓国人であったことだ。しかし...
1984年10月の初版発行なので、ほぼ40年前の本だ。 1982年に韓国にプロ野球が発足した。1983年には、元広島カープの福士投手など、日本のプロ野球でプレーしていた選手が6人、韓国のプロ野球に身を投じた。彼らには共通点があった。それは、彼らが在日韓国人であったことだ。しかしながら、彼らは日本で生まれ育ち日本語しか出来ないし、日本の文化しか知らない。ルールは共通なはずの野球まで、日本と韓国では考え方を異にする部分が大きい。当然に、彼らは相当の苦労をかの地で味わう。 関川夏央は作家としてのキャリアの初期に、韓国をテーマにした本を多く書いている。本書もその一環で書かれたものだ。1983年に最初の6人の日本のプロ野球選手が海を渡ったあと、1983年から1984年にかけて彼らを、主に韓国の地で取材しインタビューしながら、まとめたのが本書である。関川夏央は、1949年11月の生まれなので、本書が発行されたのは、関川夏央34歳の時である。 関川夏央は、取材対象の選手たちの苦労をもとに、日本と韓国の野球の違いばかりではなく、その文化の違いまで描写している。また、海を渡った年である1983年と、2シーズン目になる1984年では、選手たちの様子も異なる。韓国プロ野球、韓国社会の中で、少しづつ自分たちの居場所を確保しようと悪戦苦闘する中で、周囲も選手たち自身も変わっていっている。その姿も描写している。 しかしながら、本書は、関川夏央の、彼ら・日本社会・韓国社会・日韓プロ野球などに対しての冷静な観察から生まれたノンフィクションというわけではない。筆者自身が、最後の「短いあとがき」に、韓国に渡った選手たち、「彼らへの友情がぼくの、ときには挫けかかる気持ちを勇気づけた」「決して誇張ではなく、友情の産物である」と書いているように、選手たちに友情というか、愛情を感じながら書いているのが、よく分かる。それは、心を動かされる。
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日本で名声を残した在日韓国・朝鮮人プロ野球選手。彼らが、父祖の母国である韓国プロ野球において、いかに苦闘し、また成功し、あるいは失敗したのかについて、各選手ごとに描写する。食事、トレーニング法、練習法などそもそも韓国野球と日本野球とは異なる土壌にあるが、それのみならず、ルーツが韓国人である一方、在日だということで韓国国内の人々から受ける差別に直面する模様が活写される。韓国人でもなく日本人でもない、ひいては自身のアイデンティティすら自問自答しつつ、プロ野球選手としての結果も追求する苦難の道が痛々しい。
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生まれて間もない韓国プロ野球界に身を投じた「在日」選手たちを追いかけたノンフィクション作品。プロ野球を通した「韓国論」という読み方もできるし、さらにそれを通り抜けて「『在日』論」、あるいは「日本論」という読み方もできる。単なるチープな「野球本」にはない、ずっしりとした読み応えです...
生まれて間もない韓国プロ野球界に身を投じた「在日」選手たちを追いかけたノンフィクション作品。プロ野球を通した「韓国論」という読み方もできるし、さらにそれを通り抜けて「『在日』論」、あるいは「日本論」という読み方もできる。単なるチープな「野球本」にはない、ずっしりとした読み応えです。それだけに、お手軽な感想も書きにくい……。ただ、この本を通じて、韓国プロ野球への興味が増したことだけは確実です。(20070414)
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