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官僚病の起源

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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新書館/ |
発売年月日 | 1997/02/05 |
JAN | 9784403230486 |
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官僚病の起源
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商品レビュー
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4件のお客様レビュー
1995~96年に書かれた短編をまとめた本なので、今から30年くらい前の本、ということになる。「官僚病の起源」は問題解決にはなっていない(元々それが目的ではないし)ものの岸田節は炸裂していたので安心して読めた。その他の部分は岸田秀のキーワード(自我・自閉的共同体・自己欺瞞・内的自...
1995~96年に書かれた短編をまとめた本なので、今から30年くらい前の本、ということになる。「官僚病の起源」は問題解決にはなっていない(元々それが目的ではないし)ものの岸田節は炸裂していたので安心して読めた。その他の部分は岸田秀のキーワード(自我・自閉的共同体・自己欺瞞・内的自己・外的自己・被害妄想・誇大妄想など)がたくさん出ていて、こちらも分かり易かった。 「なぜシラクは核実験を止めようとしないか」のところでフランス革命とフランス人の精神分析を行っているが、本当にそうであったかどうかよりも、こんなにうまく説明がつくことに驚いている。他国の歴史についても著述を読んでみたいと思う。 ■軍部官僚の失敗は軍人であるがゆえの失敗ではなく、官僚であるがゆえの失敗であった。大日本帝国は軍国主義のためではなく、いわば官僚主義のために滅んだのである。 ■日本人は争いを好まず、「和」を重んじると言われるが、もちろんこれは嘘であって、組織のなかの「和」をこれほど強調しなければならないのは、組織が真の意味での構造的統一を欠いているからである。 ■フランス革命は絶対主義王制と封建的身分制度を打破し、「自由・平等・兄弟愛」の理想にもとづく近代社会のさきがけになったとフランス人は思いたいわけである。
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これはおもしろい。いわゆる官僚批判本というのではなく、なぜそもそもそうなのか、というのが日本国の成立の歴史あたりまで行ってしまい、われわれは百済の植民地であった、となる。 多少ピントのずれたような部分もあるが、サッカーの青い服着てワーワー言ってるような馬鹿に読ませたくなる一冊だ。
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言葉というものは通じればいいものなのに、日本人が文法的に正確な英語をしゃべることにこだわり、間違えると恥ずかしがるのは、台所用品を宝石か何かと錯覚しているからである。 「正確な」英語というのは「進んだ正しい」西洋文明の象徴なのであろう。近代日本人は「西洋人」 (もちろん日本...
言葉というものは通じればいいものなのに、日本人が文法的に正確な英語をしゃべることにこだわり、間違えると恥ずかしがるのは、台所用品を宝石か何かと錯覚しているからである。 「正確な」英語というのは「進んだ正しい」西洋文明の象徴なのであろう。近代日本人は「西洋人」 (もちろん日本人の幻想ぬのなかの)のようになることが正しいことだと信じてしまったので、「正確な」英語がしゃべれず間違うと、人間がまもるべき人倫の道を踏み外したかのようにオロオロする。 言語能力は人間の基本的能力だから、必要に迫られて外国語への内的抵抗が解消されさえすれば、たちまち習得できるので、必要に迫られてからはじめても決して遅くない。 漢文に返り点を付けて日本語のように読ませるという、奇妙な方法を発明したのは、外国語を無視できないが無視したいを現している。漢字に見えるが日本にしかわからない、いわゆる国字は、カタカナ英語、和製英語に相当する。外国語に関し同じような葛藤を抱き続けてきた。 [日本にはどういう選択肢があったか] 開国を迫られた時の選択肢①鎖国に固執し、開国を拒否し、徹底抗戦する。尊皇攘夷論。②欧米諸国の要求をのみ、植民地たることに甘んじる。③[和魂洋才]・[面従腹背]腹の中では欧米人を憎み、いつか仇を取ってやろうと念じながら、表面的には欧米文化を讃美士、平和的に振るった。1853年浦賀にペリー来航、開国をもてまとめるフィルモア大統領の国書を手渡しにやってきたが、この時は威嚇砲撃のみ。にも拘らず、異常な警戒心をもって対峙した。その理由は①阿片戦争の情報をえていて、欧米諸国の怖ろしさを知っていた。②幕末のアメリカの脅威は、既にヨーロッパ諸国からの脅威は経験で知っていた。(大陸、半島からの脅威に対する古代日本の反応のそのままの反復脅迫であった) [福沢諭吉の選択]日本という国の成立は七世紀。大陸に唐という強大な帝國が出現し、白村江において百済と百済を助けにいった倭軍が唐・新羅連合軍に大敗し、日本列島が危機に陥ったことをきっかけとしている 。一番豪族を天皇家に祭りあげ、一応一つの国としてまとまった。その際、大陸と半島への従属関係を否認し、国際関係から逃亡し、列島で独自に成立した国としておのれを描いた。天孫降臨の神話(天皇家の祖先が天から降りてきた)は自己欺瞞の表明である。実際にはとうの政治体制を模倣して国造りむをした。純粋な一系の天皇という幻想を国の精神的支柱とした。 [近代日本はどこでどう誤ったか]幕末に欧米諸国が日本を脅迫し、日本に不平等条約を押し付け始めた時の撰択肢 ①徹底抗戦。 ②あきらめると服従 ③和魂洋才と称された面従腹背。 上記撰択肢の中で③を撰択したのはヤムをえなかったと考えても、その後の植民地状態から脱する道としての三つの撰択肢があった。 a.他のアジア諸国とは無関係に日本だけで独立を求める。 b.他のアジア諸国と連帯して独立を求める。 c.アジアを植民地化する帝国主義の道。 撰択肢bをめざしながら、できる限りその方向に近づこうと努力しながら、欧米の植民地主義勢力をアジアから追っ払うことができるようになるまでの一時的便法として撰択肢cを選ぶしかなかったが、この撰択が誤っていたのでわなく、誇大妄想や被害妄想に囚われていた為の政策上の技術的問題に過ぎなかったのである。※歴史にifはないといわずに、「ましあのときこうしていたら」ということも大いに語るべきであろう。歴史において、ある事件は、もしその事件が起こらなかったとした場合に予想される状況との比較においてはじめて意味をもつのであって、ifといことを考えないなら、あらゆる歴史手事件はじめ無意味である。 日本の対米英戦争は冷静で合理的な計算にもとづいてはじめられた戦争ではなく、精神分裂病の妄想発作、内的自己の爆発であったと考えている。真珠湾奇襲そのものが、何らかの作戦ではなく、1853年のペリーの脅迫に対する気分てきな報復ではなかったか。 (玉砕)の意義。捕虜になる屈辱を回避し、自尊心を守るためであった。現実的合理的理由でなく、米英に対する劣等感を補償するためであった。 (特攻隊)アメリカ軍の意表を突き、いくらか戦果をあげたが、アメリカ軍は艦船の急旋回や弾幕の意義強化などの対策を講じ、特攻隊の命中率は、5%以下になった。この作戦自体も現実的戦果のためではなく、「死へ突き進む」勇気がアメリカへの劣等感を補償するためであった。 *「天佑神助」 内的自己は隠され,歪められた形で露呈する1960年の反安保闘争・三島由起夫の割腹自殺・奇跡の高度経済成長がその症例である。
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