源氏物語 物語空間を読む ちくま新書

三田村雅子(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 1997/01/20
• JAN: 9784480056948

商品レビュー

2021/09/09

江戸時代以前の源氏物語の読者は男性が中心で光源氏のサスセスストーリーとして読まれたそうです。三田村さんの読み解きはこの時代の読み方の現代版ですね。源氏物語を天皇になれなかった皇子の復権のストーリーとして読みます。六条院の雅びを描く玉鬘十帖を挟む「少女」から「藤裏葉」までの解釈が本書の真骨頂です。5年にわたる六条院の雅の物語は、２つの行幸の間に起こる状況の変化を促したものであり、光は朱雀院を圧倒する権威を勝ち取ります。青海波を共に舞った若き日、光の挿頭の菊が「藤裏葉」の歌で懐古されます。菊にこだわった光とライバルに大きく差をつけられ賛美の歌を献じる太政大臣(頭中将)という読み解きに唸りました。

2010/05/27

［　内容　］
愛に彩られた権力獲得の物語を、氾濫する植物イメージや身体言語に着目して説き明かした挑発的な入門書。

［　目次　］
１　光源氏の「死」と「再生」
２　光源氏世界の構築
３　他者のまなざし・他者の空間
４　光源氏世界の向こう側

［　ＰＯＰ　］

［　おすすめ度　］

☆☆☆☆☆☆☆　おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆　文章
☆☆☆☆☆☆☆　ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆　メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆　冒険性
☆☆☆☆☆☆☆　読後の個人的な満足度
共感度（空振り三振・一部・参った！）
読書の速度（時間がかかった・普通・一気に読んだ）

［　関連図書　］

［　参考となる書評　］

2006/02/12

大学時代、大変お世話になりました。研究会、学会で何度かお会いしたことがあります。一緒に写真撮ったことも（笑）いい人でした〜（笑）