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つくられた桂離宮神話 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1997/01/10 |
JAN | 9784061592643 |
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つくられた桂離宮神話
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商品レビュー
4.4
7件のお客様レビュー
まさに、いかがわしく、いかもの。 ブルーノタウト は、この本を読んで、多分 最初に言う言葉は「いかもの」というだろう。 重箱の隅をつついて、自分のいいとこ取りをするだけなのである。 タウトの発言の吟味も十分にされていない。 井上章一は、「私は審美家である。美的な感受性のゆたかな...
まさに、いかがわしく、いかもの。 ブルーノタウト は、この本を読んで、多分 最初に言う言葉は「いかもの」というだろう。 重箱の隅をつついて、自分のいいとこ取りをするだけなのである。 タウトの発言の吟味も十分にされていない。 井上章一は、「私は審美家である。美的な感受性のゆたかな人間である」と思っていたが、 私には、桂離宮の良さがわからない。」「桂離宮を見ても美的感動はなく」「退屈」と告白する。 この桂離宮に対しての編集する力は、実に優れている。 破調の批評である。ある意味では、建築史の「へうげもの」かもしれない。 桂離宮は、「日本美の典型」「建築芸術、庭園芸術の精華」「空間造形の粋」と言われているが、 井上章一は、それは、わかんないというのである。 井上章一は、不思議なことに、 桂離宮についての歴史的な背景やその細部に対しての分析はほとんどない。 桂離宮の現場に一切立とうとしない。とにかく、井上章一は高みの見物なのだ。 自分を、危険に晒さないところに、彼の強さがあるのかもしれない。 井上章一はいう「美を語らなかった本書こそが、美を逆説的に暗示する」 実に、レトリックの使い方のうまいことよ。 井上章一は、本についてのマーケティング能力があると感心する。 自虐で始まって、みんなで渡ろう赤信号と言って、自分だけわたらないのである。 そして、ブルーノタウト の書いた言葉に、「標的」を決めるのである。 タウトはいう「私は桂離宮の発見者だと自負して良さそうだ」ということに対して、 日本の建築史の大枠を設定した伊東忠太は、桂離宮に対して、少し冷淡だった。 伊東忠太は「桂離宮などを、パルテノンと同等に比較するような人物」と言って バッサリ、タウトを切らせるのである。 その弟子 岸田日出刀は、それとは違って、 「伊勢、桂離宮の建物が古近を超越した絶世の傑作」と言っていた。 タウトより先に、岸田日出刀は、桂離宮のことを良いと言っていたというのだ。 そのから、日本人がいうより、外国人が言った方が日本人はよく聞くという 論調で、結局 タウトなんて、大したことないのだという。 しかし、タウトは 「日本美の再発見」と言っているように、 日本美の発見とはいっていないのだ。日本美を見つけた先人がいて タウトは「再発見した」というスタンスをしている。 つまり、桂離宮が良いと思えば、それでいい話だのだが、 結局 自分の審美感のないのが、タウトのせいにして、 タウトを持ち上げたモダン建築派の日本の建築家が問題のようにいう。 「桂離宮は、美術の世界において神格化された」と駄々をこねるのである。 こうやって、駄々をこねたとしても、 結局 井上章一の審美感がないことが、解決するわけでもない。 そして、追従する姿勢についても、明らかにしない。 全く、最初の陣美観がないことが、 大山鳴動 ネズミは自分だったというわけである。 タウトは、伊勢神宮も褒めているのだが、このことについては、井上章一は 全く触れようともしない。 タウトが言っている桂離宮のことについて、 桂離宮には、建築家の自由さがあり、日東東照宮には、建築家は権力に隷属している と言って、建築家のあり方について、述べていくことについても、 一切 無視しているのである。 しかし、注目に値する仕事は、とにかく 「桂離宮」に関する本やパンフレットの類を 全部分析して、今だったら、AIが全部やってくれそうだが、 明らかにされるのは、 タウトの評価している桂離宮と そのころの復興したモダニズムの人々の評価する桂離宮と モダニズムが没落しつつある時の評価する桂離宮と 脱モダニズムの評価する桂離宮と なぜか、桂離宮は同じなのに、時代によって評価が変わるなぁ ということが、明らかにされていることだ。 そういう意味では、桂離宮を冒涜しているわけでもなく、 偶像破壊しているわけでもなく、神話をでっち上げて解体しているわけでもない。 結局 最後まで 桂離宮の正体に肉薄することなく 玉ねぎの皮をむくがごとき論調で、全く美を語ることができないままに タウトの言ったことなんか、忘れちゃった という川端康成の小説で、 跡を濁して、飛び立って行くのである。
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移動の合間に読了 桂離宮行ったことないけど 桂離宮に限らず、神話っていうものが、どうやって作られていくのか アジェにしろゴッホにしろ変な神話は一回、疑ったほうが良い この本、後半こじれてくる 前半分だけで良い
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確かに意地の悪い本だった。けれども人が時代という枠組みにいかに制約されているかということがよく分かるし、モダニズムがいかにすごい勢いだったのかも見えてくる。 桂離宮の時代解釈はどんどん変化していくが桂が古典になったという事も面白かった。 あとがきで建築史学会に無視されたとあるが...
確かに意地の悪い本だった。けれども人が時代という枠組みにいかに制約されているかということがよく分かるし、モダニズムがいかにすごい勢いだったのかも見えてくる。 桂離宮の時代解釈はどんどん変化していくが桂が古典になったという事も面白かった。 あとがきで建築史学会に無視されたとあるが、建築史学会が無視したことが本の価値を高めたと思う。
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