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覇王の家
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覇王の家
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
# 江戸幕府を築いた英雄譚 ## 面白かったところ - 徳川家康を形づくっていた性格の描写が、今まで出会ってきたどんなコンテンツよりもすごかった - 小説とはいえ、古今東西に通ずる人と人との付き合いや外交の緊張感がよかった ## 微妙だったところ - 読み応えがあるが、...
# 江戸幕府を築いた英雄譚 ## 面白かったところ - 徳川家康を形づくっていた性格の描写が、今まで出会ってきたどんなコンテンツよりもすごかった - 小説とはいえ、古今東西に通ずる人と人との付き合いや外交の緊張感がよかった ## 微妙だったところ - 読み応えがあるが、長い ## 感想 何と言っても極上の歴史小説と言える一冊だった。臆病者だが果敢に勇気を出して軍を率いる徳川家康の生き様は、歴史の教科書に視る英雄とはかけ離れていた。 この小説は、武力の強さという印象はそれほど描かれていない。 それよりも外交の描写に注力し、世間の情勢を常に自身に流れ込ませて攻め時を伺うスタイルの武将だという描かれ方をしていた。 これは物理的な武のぶつけ合いで勝ち負けが白黒つかない現代に於いてとても参考になる姿勢であり、見倣える教訓と取れる。 何を許し、何を許さないか。という判断軸から、どこで腹を切りどこで骨を断つのか。という究極の選択。その後日談も垣間見えるのは読むに値する話だった。 ぜひ他の名著も手に取りたい。
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江戸260年とそれに続く近代日本の気質は、遡れば三河に通じる、と。 物語としては、朝日姫輿入れ前でほぼ終わる新鮮な構成で、一気に読ませてしまうところは、さすが司馬節。
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『かれは自分という存在を若い頃から抽象化し、自然人というよりも法人であるかのように規定し、いかなる場合でも自己を一種放下したかたちで外界を見、判断し(中略)自分の健康についてもまるでそれが客観物であるかのように管理し、あたえるべき指示をかれ自身がかれの身体に冷静にあたえてきた。(...
『かれは自分という存在を若い頃から抽象化し、自然人というよりも法人であるかのように規定し、いかなる場合でも自己を一種放下したかたちで外界を見、判断し(中略)自分の健康についてもまるでそれが客観物であるかのように管理し、あたえるべき指示をかれ自身がかれの身体に冷静にあたえてきた。(中略)家康の深奥に秘密があるとすればこのことであり、かれの一代はこのことから成立しているといってよく、さらにはどうみても英傑の風姿を持たず、外貌も日常もそして才能もごく尋常な人物でしかないこの男が、その深部においてきわだって尋常人と異なっているところはこの一点であり、この一点しかなかった。』
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