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湯灌師
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湯灌師

木下順一(著者)

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湯灌師

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 1997/11/20
JAN 9784309901886

湯灌師

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2024/08/03

自らの肉体から着想した人の死後の世界

本書は、著者が1990年から1996年にかけて発表した「湯灌」「気配」「儀式」という、ある一人の湯灌師を主人公にした小説の3部作が、「湯灌師」と題して一冊にまとめられ1997年に刊行された作品集である。主人公の人物造形や物語に厚みや奥行きを持たせるためか、次男の嫁への情欲や生身の...

本書は、著者が1990年から1996年にかけて発表した「湯灌」「気配」「儀式」という、ある一人の湯灌師を主人公にした小説の3部作が、「湯灌師」と題して一冊にまとめられ1997年に刊行された作品集である。主人公の人物造形や物語に厚みや奥行きを持たせるためか、次男の嫁への情欲や生身の躰恋しさに偶然出会った指圧師の女との情交などのエピソードも織り交ぜられているが、著者の眼目は、「あとがき」で触れられているように、自らの肉体から着想した人の死後の世界であり、そのことが、宗教の世界ではなく、「自己体験による想像の世界」として、湯灌師である主人公の言葉を借りて語られている。誰も経験したことのない世界であるから、受け止めは読み手それぞれであろう。ちなみに、湯灌師、納棺師と聞いて思い浮かぶのは、2008年製作公開の映画「おくりびと」であるが、その元となった青木新門氏のノンフィクション作品「納棺夫日記」が出版されたのが1993年であるから、本書は、小説とはいえ、納棺を業とする人を主人公あるいは語り手として、その視線から自らの苦悩や葛藤、死生観、死後の世界などについて世に表した先駆けの作品と言えるのかも知れない。

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