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白村江 古代東アジア大戦の謎 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1997/10/20 |
JAN | 9784061493797 |
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白村江
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
知名度は高いが、朝鮮…
知名度は高いが、朝鮮が絡むだけに深く掘り下げた書物が少なく、あまり知られていない白村江の戦いに関する一般向けの新書とあって、期待の一冊。冒頭の小説風の描写は頂けないが、それ以上に内容の薄っぺらさが目立つ。倭国の朝鮮半島侵出の野望が挫かれた最後の戦いであるこの戦争を理解するには、4...
知名度は高いが、朝鮮が絡むだけに深く掘り下げた書物が少なく、あまり知られていない白村江の戦いに関する一般向けの新書とあって、期待の一冊。冒頭の小説風の描写は頂けないが、それ以上に内容の薄っぺらさが目立つ。倭国の朝鮮半島侵出の野望が挫かれた最後の戦いであるこの戦争を理解するには、4世紀から続く倭国の対朝鮮政策をもっと深く掘り下げないと理解し難い。必然的に、神功皇后の三韓征伐、任那日本府という話になりイデオロギーが介在してくるので、現時点ではこの程度が限界かもしれない。
文庫OFF
白村江の戦い、日本史でその名を記憶している人も多いだろう。私の時代は「はくすきのえ」で習ったが、本書は音読の「はくそんこう」で統一している。戦いに関する直接的な記述は多くなく、日本(当時の「倭国)、朝鮮半島(高句麗、百済、新羅の三つ巴)、大陸(隋から唐へ)の三つの歴史を振り返りな...
白村江の戦い、日本史でその名を記憶している人も多いだろう。私の時代は「はくすきのえ」で習ったが、本書は音読の「はくそんこう」で統一している。戦いに関する直接的な記述は多くなく、日本(当時の「倭国)、朝鮮半島(高句麗、百済、新羅の三つ巴)、大陸(隋から唐へ)の三つの歴史を振り返りながら、日本が朝鮮半島の百済を救出に赴いた白村江の戦いに至る経緯を追いかける。いずれの国においても日本史・世界史に出てくる著名な人物のみならず、現存する文献に残っている細部の人物まで登場していて、当時の混沌とした世界観が目の前に広がる様に生き生きと描かれている。 日本といえば、大化の改新(645年)前後は蘇我氏が実権を握り、かの有名な中大兄皇子が登場するあたり。朝鮮半島は北の中国の一部までを支配する強大な高句麗と、東南に位置して後に半島統一を成し遂げる新羅、そして日本にも大量に文人や技術を伝播させてくれた西南の百済の三国が日々激しい領土の奪い合いを繰り広げる。時には大陸の唐と手を結び、時には争い合うなど近年の歴史の中でも目まぐるしく謀略やクーデター、団結などが詰め込まれた一大スペクタクルの時代だ。当時の時代感からすれば、相手国に敬意を示すために王族や権力を持つ重臣クラスの子息を相手方に送るのは常識であり、日本へも百済の王子の1人が数十年にわたり送られてくる。百済滅亡の危機に際しては、その王子が再び半島へ渡り、倭国の支援を引き出して新羅・唐の連合軍と戦う。 現代社会では日本と韓国の仲の悪さだけがフォーカスされて如何にも戦い続ける宿命の様であったかの様に感じられるが、遥か古代より大陸中国や半島とは交易を重ね互いに手を取り合って発展してきた歴史がある。同じ東アジアに暮らす民族にとって重要なパートナーであり続けた。それも日本が朝鮮へ侵攻し、中国を敵に回す近代までは。 本書で扱う時代からは隋を滅ぼして唐を建国した李世民(太宗)がのちに続く貞観の治世を築いたことで、ビジネスマンがよく読む貞観政要で有名だ。この唐は時代において最も律令や軍隊、技術的に最も進んだ存在であったことは間違いない。日本が参考にした統治制度や武器、宗教なども朝鮮半島の百済を経由して入ってきており、白村江で唐を敵に回すというのがどれ程強大な敵に挑んだ行動であったかが窺い知れる。国内を平定し次期天皇を目指した中大兄皇子の足場固めとしては非常に重要な戦いであったに違いない。 とは言え、百済内でも王が守備していた城を出てしまうなど戦局も不利にあった日本が勝てる見込みは小さく、船団数では唐を凌いだと言われる大船団も火攻めに遭って敢えなく破れ去る。然し乍ら当の捕虜とされた日本人の多くはその後の唐に学び、日本の国力自体を強化する事に寄与していく。考えてみれば、外国との戦いは互いの文化や技術を高め合うための絶好の機会と言えなくない。ペリーが来校し国力強化に目覚めた日本が、海外から積極的に技術を取り入れて世界の列強に名を連ねていく流れも、海外からの刺激によっている。そう考えるとその後も元寇や秀吉の時代の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)、前述のペリー来航による日米間で締結された通商条約(実質的な不利条約)など外国との戦闘を交えた関係性は日本の発展には不可欠であった。 本書は日本初の大規模な海外遠征である白村江の戦いに至る各国の実情を踏まえながら、如何に他国と交わり共に成長してきたかの記録である。それぞれの歴史が糸を織りなす様に結ばれていく様は大変面白い。常時ワクワクしながら頁をめくれる一冊だ。
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白村江の戦いの時代的前後を,ところどころ小説調で書いてある。 目新しい発見はなかったけど,あの時代の人間関係に詳しくなった。 好きなのに,奈良時代の動きを捉えるのは難しい。 名前が訓読みで,覚えにくいからだろうなあ。 ちなみに日本で名前が音読みになるのは,道真の祖父君,清公が...
白村江の戦いの時代的前後を,ところどころ小説調で書いてある。 目新しい発見はなかったけど,あの時代の人間関係に詳しくなった。 好きなのに,奈良時代の動きを捉えるのは難しい。 名前が訓読みで,覚えにくいからだろうなあ。 ちなみに日本で名前が音読みになるのは,道真の祖父君,清公が渡唐から帰ってきた際に進言したのが元々。 女帝は中継ぎというのが定説だけれど,それにしても斉明天皇の行動力は凄まじいものがある。 そういえば,観世音寺は斉明帝の菩提寺だったな。 歴史はこうやって所々繋がっているのが,面白い。
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