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山田風太郎明治小説全集(6) ラスプーチンが来た・明治バベルの塔・明治暗黒星
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商品詳細
内容紹介 | 内容:ラスプ-チンが来た. 明治バベルの塔. 牢屋の坊ちゃん. いろは大王の火葬場. 四分割秋水伝. 明治暗黒星. 自著を語る. 解説 木田元著 |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 1997/10/20 |
JAN | 9784480710260 |
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山田風太郎明治小説全集(6)
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山田風太郎明治小説全集(6)
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『ラスプーチンが来た』 これはなぜか未読だった。 司馬遼太郎の『坂の上の雲』で有名になった怪男児明石元二郎の若き日の物語。とは言っても、司馬が描く明石とは大違いなのは当たり前で、山風曰く、化物とチミモウリョウの戦い。初出時タイトルは「明治化物草紙」。 脇を固めるのも、実在の人物...
『ラスプーチンが来た』 これはなぜか未読だった。 司馬遼太郎の『坂の上の雲』で有名になった怪男児明石元二郎の若き日の物語。とは言っても、司馬が描く明石とは大違いなのは当たり前で、山風曰く、化物とチミモウリョウの戦い。初出時タイトルは「明治化物草紙」。 脇を固めるのも、実在の人物として、内村鑑三、長谷川辰之助こと二葉亭四迷、乃木希典と息子たち、大津事件の犯人津田三蔵、サハリン滞在中のチェーホフ、などなど。 日本のチミモウリョウ代表で、下山宇多子(下田歌子)と青山の行者こと稲城黄天(隠田の行者こと飯野吉三郎)――初出の週間読売掲載時は実名だったが、飯野吉三郎の孫から猛烈な抗議が来て、名前を変えたと山風の言。 そして本家チミモウリョウのラスプーチン。すごいメンツである。 あらすじは、若かりし頃の明石元二郎が、乃木希典家の幽霊退治を依頼されたことをきっかけとして知り合った、乃木の馬丁津田七蔵、彼と双子の兄の恩人一家。特に娘の雪香と血友病患者の弟綱彦を軸に、雪香の父の弱みにつけ込み彼女を我が物にせんとつけ狙う、稲城黄天と愛人下山宇多子との駆け引きで話がすすむ。 サハリン滞在中にふとしたきっかけで、娼婦に身をやつした雪香の実母の末期を看取ったラスプーチンが来日、長谷川辰之助の手引きで四谷鮫ヶ橋の貧民窟を根城に、雪香を手に入れた上、津田三蔵七蔵兄弟を操って、大津事件を引き起こして、ロシア宮廷に近づくという己の野望を果たす。 という、山風ワールド全開の話だが、巻末の森まゆみとの対談で、森の「歴史小説というのは違いますか」という問いに対して、「違いますね。うそが混じっているから、というよりフィクションを書くのが主目的だから。でも、事実で脇を固める。」と答えた通り、多数の事実で脇を固めているからこそ、伝奇小説でもそこいらのモノとは奥深さが違う。どこまでが本当なのか判らなくなってしまうのだ。 ちなみに、大逆事件は平民新聞に連載された「妖婦下田歌子伝」のせいで、学習院教授の職をクビになった下田歌子が、自分の政界への影響力を駆使してでっち上げ幸徳秋水への復讐を果たした。という噂が当時本当にあったらしい。 ―― 『明治バベルの塔』より『四分割秋水伝』 大逆事件について書かれた本は大著なものを含めたくさんあるが、本作品は短編であるにもかかわらず、また実験小説でもあるが、大変わかりやすくまとまっていると思う。 山風自身の説明によれば、描く対象を 上半身=タテマエ 下半身=セックス面と家庭内などで見せる弛緩した一面 背中=その人間の逆の反面。山風曰く、人間が思考・行動する時には、必ずその反対の思考・行動を試みている。それが本音。 大脳旧皮質=本音以前の本人も認めない原始深部の声。 の四つの領域に分けて書いたもの。 この方式で何人かを書こうと試みたが、調べてみて下半身の部分が判らない。結局、幸徳秋水だけ死刑囚で子孫がいないから、文句もこないだろうと書いたとの事だ。
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以前紹介した「ラスプーチン~」のほか、幸徳秋水や星暗殺を主題とした小説を収録。設定に突っ込みたい人も多いと思いますが(私も少々「?!!」となりましたが)、創作と割り切ってしまえば面白いテーマ。
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