西鶴おんな秘図 長編時代小説 光文社文庫光文社時代小説文庫

大下英治(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社/
• 発売年月日: 1997/09/20
• JAN: 9784334724764

商品レビュー

2011/05/28

図書館で借りました。

　長編時代小説。官能小説。
　プレイボーイのはずの井原西鶴はここではめっちゃ受け身系。
　十四の時に、美人の後家に因縁をつけられて、関係を持ったり。
　嫁の絹は押せ押せって感じの娘で、西鶴を自分から誘って結ばれて。
　女弟子からもやっぱり向こうから仕掛けられて。

　……女に関しては自分からはなんにもしない。
　良い女が向こうから転がり込んでくる。
　ただし、濡れ場が擬音を多用しているので、無夜にはちょっとなじめない。
　説明文を声で補ったエロゲーみたい。
　長女が盲目に生まれたり、愛妻絹が死んだり、幸せばかりではないのに、軽い感じでかかれている。バイテリティーは微塵も失われない。

　西鶴は俳諧人で、その上「浮世草子」の「好色一代男」を書いている人。
　これを読んで、「好色一代男」も読みたくなったな。
「人間が好きなんや」という西鶴。キャラクターとしては好き。